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エセエコ仮面カムフラージュ糸引かず納豆

「タレ、カラシを省きました」

そんな謳い文句に釣られて安い納豆を買ってみた。
おなじみの3パックセットで、これまで買っていたものより20円近く安い。
毎朝食べるものだから、これはありがたい。

そしてなにより、うちはこのタレとカラシがいらないのだ。
あれをうまいうまいといって、残してまで料理に使う人がいるのを知ったときには驚愕だった。
なぜって、あれは化学薬品を調合して作った偽物のタレ・カラシだから。
健康を志向して納豆を食べるのに、なにゆえ薬品をふりかける?

パックを開けて真っ先に行う儀式が、上にかぶせてあるフィルムもろともタレとカラシをゴミ箱に放り込む作業。
納豆には醤油を垂らすので十分なのだ。

2018年に会社のメルマガにこう書いた(noteには2020年に収録)。
(わずか390字なのでよければお読みください)

買うたで、タレ・カラシのない納豆買うたで!
2018年の僕に声を大にして伝えたい気分だ。
理想は上の記事に書いたように、寿司パックのごとく全納豆からタレ・カラシを追放し、欲しい人だけ売場から取っていくスタイルだけど。
それでもタレ・カラシのない納豆を選べるようになったことは大きい。

いいこと、いいこと。
よい買い物の余韻に浸りながらパックを開け、箸で混ぜる。
混ぜる。
混ぜる。

んん?
んんーん?

見るからに糸引きが少ない。
ふつうなら抵抗が増して混ぜる手にも力を入れ始めるタイミングになっても、そんな予感すらない。
どれだけ混ぜてもスルスルスルー。
ふつうなら混ぜ終わったあとに箸でごそっと塊で持ち上げられるほど粘りが出るのに、やってみたらスルスルスルー。

な、なんやねん、これぇ!
タレ・カラシ省きましたゆうて、ホンマに省いたんは作る手間ちゃうんん!
さもタレ・カラシ省いたから20円も安く作れましたみたいなエコ顔しといて、ホンマは製造工程しれっと省いて安くしただけちゃうんかー!
それなら「適当に作ったので20円お安くなりました」て書いとけやー!

と、取り乱し、し、失礼しました…
カムフラージュが許せへんねん。

ついに不要なタレ・カラシのない納豆を選べるようになった喜びと、20円も安い納豆に出会えた嬉しさで大量に買い込んだこの「エセエコ仮面カムフラージュ糸引かず納豆」とはしばらくつき合わなければならない。

(2024/4/21記)

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