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スヌーピーが好きだ

なぜかは分からないが、小さな頃からずっとスヌーピーが好きだ。

原作の漫画は子どもが楽しむには笑いのツボが難解で、実はいまだにちゃんと読んだことがない。
アニメは観てみたことがあるが、笑えるどころか、大人のセリフが妙な音になっているのが不気味で、頭になど入ってこなかった。
スヌーピーミュージアムに行ったこともないし、スヌーピースタジオで遊んだこともない。
でもなぜだか好きなのだ。

きっかけは思い出せないが、幼稚園の頃、突然スヌーピーのぬいぐるみが欲しいと主張し出したらしい。
どれだけのやり取りがあったか知らないが、最終的には母も折れ、20cm大のぬいぐるみを買ってもらった。
ウッドストックが胸のワンポイントに入ったテニスウェアを着ていた。
だがどうやらスヌーピー自体は裸で、オプションだったウェアをその場でおねだりして着せてもらったものらしく、500円もしたとその後20年にわたって何度言われたか、正の字でもつけて数えておけばよかったほどだ。

小学4年生の頃、数名ずつのグループに分かれてクラスの皆の前で出し物をする機会があったが、ぬいぐるみ劇をしようとメンバーに提案した。
ただただ愛犬を学校に連れていきたかっただけだが、メンバーもそれぞれにスヌーピーやスヌーピーもどきを持ち寄って、当時はやっていた「西部警察」をスヌーピーで再現するという内容につい力が入り、大作となった。

毎晩このスヌーピーを抱いてふとんに入り、その夜思いついた創作物語を眠くなるまでいっしょに演じていたから、ブツブツうるさかったことだろう。
ある朝目覚めたら、首がもげ、辛うじてある一点でのみ繋がっていて、首の皮一枚とはこのことかという状態になっていて驚いた。
母に縫合手術をしてもらい、事なきを得たが、そもそもどんな寝かたをしたらあんなことになるのか、今もって分からない。

そしてそのスヌーピーは今も机の上にいる。

ボロボロになった500円のウェアは脱いでしまったので、また裸だけれど。

スヌーピーのどこが好きなのか解明したくてこの記事を書いてみたが、結局まったくもって謎のままだ。
ただ、スヌーピーのぬいぐるみが好きなことだけは間違いなさそうだ。

(2021/3/24記)


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