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風Vn2024:ヴァイオリンの表板の使い方の大きな誤解
今回の記事は、「Vnの表板って、何でふくらんでいるの?」の続きです。
今回の内容は、ぜひ知ってほしいことなので
記事を仕切り直した上に、名前にもインパクトを持たせています。
今回は、クラッシックギターと比較しながら説明していきます。
楽器ボディの平面な表板に、弦を固定して張る場合、
柔らかい音色を得る手段として、
駒は一番広いエリアに配置したいと考えます。
下図のクラッシックギターには、それがよく現れています。
付け加えて、主に表板を鳴らす楽器の場合、
設計者としては、駒付近を可能な限り広くしたいのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1714661111875-EaobxhOs6Y.jpg)
ところが、ヴァイオリンの場合、
下図のように、駒は、かなり狭い場所に配置します。
ボディ中腹をしならせる楽器なので、
譲れない都合があるのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1714661333322-FvbaDIPMNZ.jpg)
ただでさえ小型な楽器なのに、、、
こんな狭い場所で、柔らかい音色を作るなんて
「あきまへん。無理です。」
という設計者の心の声が、私には聞こえます。
でも16世紀の注文主は、きっと皇帝とか貴族とかで、
「金はなんぼでもだす、時間もやる、なんとかしろ。」
(これって、私が最も求めている言葉や)
この記事を書きながら気が付いたけど、
「あなたが、本当にやりたいことは何ですか」の
私の答えは、きっとこれや。
お金はほどほどでよくて、欲しいのは
自分のとっての「適度な試練」なんや。
心の欲求って、つまり人生をかけて取り組んでることで、
具体的な形のないものやったとは。
話がちょっとそれてしまったけど、
設計者は、眼の前の試練に燃えるのです。
ヴァイオリンを最初に作った設計者も
きっとこの難題に燃えたことでしょう。
その設計者が悩み抜いて、閃いた仕組みが、
今のヴァイオリンの形にあるんですよ。
よーく、目をこらして見てくださいね。
その設計者は、おそらく以下の手順で閃きました。
先に説明した、f字孔を破損させないための対策として、
表板はふくらんだ形にすることを決定しました。
これにより、f字孔から割れる心配もなくなったので、
表板はかなり薄くできるようにもなりました。
そして、作ってみて上から押してみたら
簡単に横に広がるやないですか。
![](https://assets.st-note.com/img/1714661694251-Ss8QAEUVqt.jpg)
ピコーン。(←閃き音)
「薄い表板を押し広げて、柔らかさを作る」
これです。
そして、このために、生まれたのが、
「コーナー」なのです。
「コーナー」を使って
アウトラインの外に表板を押し広げるという、
これまでに無い、素晴らしい発想なのです。
手順としては、下図のように
①駒の押す力で表板を押し下げて、
②表板のふくらんだA-B間の形を横に押し広げればOK。
![](https://assets.st-note.com/img/1714661908335-5VG11RMZFH.jpg)
ヴァイオリンは、表板だけについて言えば、
A-B間を横方向に伸び縮みさせて、
音色の柔らかさを作る楽器なのです。
A-B間のふくらみについて、もう少しく説明すると、
Bは外に押し広がりにくいので、
Aのコーナーが外に押し出されます。
その結果、何が起こると思いますか?
ありえへん、と思うかもしれませんが、
弦を張って使っていると、Aのコーナーは少し押し下がります。
下写真は、風時代Vn2022の横顔ですが、
1年ぐらいで、裏板側に押し曲がりが見えるようになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1714662128177-OKdi5UOx3e.jpg)
これが、柔らかい音色を作ることができる
ヴァイオリンの特徴の1つなのです。
ただし、押し曲がり過ぎの楽器には気をつけてください。
そうならないための仕組みについては、
後の記事に書いていきます。
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