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風Vn2024:ヴァイオリンの表板って、何でふくらんでいるの?
「ヴァイオリンの表板って、何でふくらんだ形なんだろう?」
![](https://assets.st-note.com/img/1714659949168-hot6OB9nea.jpg)
この疑問に向き合うことで、
・ヴァイオリンの歴史がどんな進化をとげたのか、
・音色の柔らかいヴァイオリンを見分けるポイント
これらへの理解を深めることができます。
他の弦楽器、ギターやリュートと大きく異なるのが、
この表板のふくらみなのです。
歴史の中では、中世フィドルまでは表板は平面で、
なぜかヴィオラ・ダ・ガンバから表板は膨らんだ形になりました。
何か理由があったんですよ。
今回は、この理由を解き明かしていきます。
今のヴァイオリンって、縦長のひょうたん型で、
駒が真ん中にあり、バスバーが長手方向に伸びていると、、、
なんとなく、全体的に長手方向を使って
振動させるんだ、と思いますよね。
![](https://assets.st-note.com/img/1714660047212-vb9GyyiqXN.jpg)
でも、膨らんだ表板のてっぺんに駒をのせて、
本当に安定した振動を作れるの? っていう疑問は、
最初にヴァイオリンを見た時からありました。
なんか、イメージとしてはいろんな方向から
反発力を受けてバタバタしそうな気がするのですが、、、。
なんか、こう、設計的に、
ちょっとナンセンスな印象を受けてしまうのです。
そう、違うんですよ。
ヴァイオリンの形を最初に作った人は、
まったく違う発想でデザインしているんです。
そして、表板が平面な楽器の欠点をうまく克服しているのです。
大きく2つありますので、順に説明します。
表板のふくらみの狙い その1
まず1つ目は、平面な表板を持つ「中世フィドル」を例にして、
駒の両サイドにヴァイオリンのf字孔と
同等の切れ込み(以降I字孔とします)がありますが、
ボディ中腹がしなると、平面な表板の場合、
駒位置が押し下がり、負担は弱い部分にかかります。
つまり、I字孔の端が簡単に割れてしまうことが
問題になったはずです。
![](https://assets.st-note.com/img/1714660439393-hKRvIXQjDO.jpg)
ヴァイオリンは、これをどう対策したかというと、
表板をふくらんだ形にした上で、
下図のように、f字孔付近をくぼませたのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1714660659997-u1n9BA60Ag.jpg)
こうすることでf字孔両端にかかる負担は減り、
破損しにくくなります。
つまり、表板をふくらんだ形にすることで、
駒の押し下げる力をどのように流すのか、どこが支えるのかを
コントロールできるようになったのです。
加えて、表板は飛躍的に板を薄くできるようになりました。
表板のふくらみの狙い その2
少し長くなったので、別記事にして
リンクを貼り付けておきます。
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