【お知らせ】『左川ちか全集』刊行発表

【お知らせ】
『左川ちか全集』(島田龍編・書肆侃侃房)がいよいよ来年春に刊行されます。
http://www.kankanbou.com/news/archives/294


現代詩の先駆者として国内外で評価されつつある詩人の確認し得る全ての詩・散文・書簡およそ130篇を集成した初の全集。

多数のヴァリアントに専門的な校訂を施し、彼女の最後の意思を最も反映したテキストとなるよう心掛けました。

新発見された詩篇を始め、彼女の詩想の源泉が窺われる随筆・詩論・書簡の数々とともに、A・ハクスリー、S・アンダーソン、H・クロスビー、J・ジョイス、V・ウルフ、H・リード、ミナ・ロイなど翻訳史上重要な翻訳詩文を初めて一挙収録しました。

彼女の創作と翻訳の関係が明らかになることでしょう。

本書巻末には詳細な年譜・解題・解説を付します。

解題には作品ごとの書誌、主な異同、本書の底本などとともにやや難しい言葉や人名・地名などに註をつけ、それぞれ特記事項を記し、鑑賞の手引きになるようにしました。

また、翻訳元の英語原文テキスト(雑誌・単行本など)を調査し全て明らかにしました。今後の研究の基礎になると思います。

初の全集ではありますが、まずは手にとって頂きやすいよう版元さんには価格も頑張って頂いてます。類書に比して恐らく最もお求めやすいものになるかと思います。

都会住みでも地方住みでも初心者でもマニアでも何歳でも関係なく、ハードルを上げずに彼女の言葉を良質な形で届けたい。
その一念で皆様にご協力頂いています。深謝。

また、侃侃房さんのHPの一つ「web侃づめ」では、来年「左川ちかをさがして」と題し、初めて左川ちかを知る方にもすでにご存じの方にも楽しんで頂けるようエッセイを連載します。
http://kankanbou.com/webkandume/

その他にも論集、イベントなども動き出しています。


思えば2017年、当初およそ5年を目途とした計画で左川ちかに携わりました。

大事なのは鑑賞はもちろん研究上信頼に足るテキストを刊行すること。そして研究や評論が増えること。さらに読者が広がること。

一度動き出してある程度形になれば、あとは一個人の手を離れて大きくなっていく、その力が彼女の言葉にはあるはずだと確信しています。

その意味では目標通り5年+αで何とか終えることができそうです。多くの方々のお力添えを頂いたおかげです。

まだこれからもうひと踏ん張りします。

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