手術中麻酔が切れた事件
今までに手術を7回ほど経験しています。
その中から「手術中に麻酔が切れた!」というお話をします。
18歳の頃、一年前に手術した卵巣嚢腫が再発。
手術をしないとならない大きさになっていた。
婦人科の先生は、
「前回しっかり腫瘍をとったのにこんなにも早く再発するなんて…。今回は心配するほど大きくないから、局所麻酔で手術するからね。万が一、手術時間がのびた場合は全身麻酔に切り替えるから!」と。
前回の手術は「巨大卵巣嚢腫」で取り出した腫瘍の重さはなんと13㎏!
それに比べて今回はずいぶんと小さいので、手術は1時間で終わる予定とのこと。
私も先生も今回の手術はそんなに難しく考えていなかった。
しかし!
お腹を開けてみたら両方の卵巣に腫瘍があることがわかり、
さらにチョコレート嚢胞、癒着など、予定時間には終わらない要素がいろいろあったようで・・・
お腹が開いている状態で麻酔が切れ始めました。
そして全身麻酔に切り替えることなく終了までそのまま続行。
以下、手術中の私の様子です。
手術に不安を抱えている方はご遠慮ください。。
手術中は薬のせいかほとんど眠っている状態だったが2回、目を覚ました。
一度目は周囲がやたらと騒がしく目が覚めた。
でも私が目を覚ましていることは誰も気づいていない。
すると看護師さんの叫ぶ声が。
「先生!患者さんの血圧がどんどん下がっていますっ!上が40!」
(ええっ?!これって私のことだよね?!上が40ってまずいんじゃ・・・。
このままだと死ぬ?!)
と焦りながらも眠りに落ちていきました。
次に目が覚めたのは、生理痛のような痛みを感じたとき。
(お腹痛い。あ、手術終わったのかな。血圧下がってたみたいだけど生きてる。良かったー。)
一安心した私。でもすぐに恐怖を感じることになる。
だって、まだ手術の最中と気づいたからだ。
お腹が痛い=麻酔が切れ始めた
と思った私。でも麻酔が切れ始めても全身麻酔に切り替えてくれると先生は言っていたから大丈夫。でも、このことは伝えなくては!
近くにいる看護師さんに話しかけた。
「すみません、お腹が痛いのですが。。」
「えっ?ちょっと待ってて。先生に言ってくるから!」
すると先生がこう言った。
「お腹の中を洗浄したら手術がおわるから!もう少しだからこのまま我慢してね~!」
(うそっ!?全身麻酔にしないの?我慢?!お腹痛いよ!)
ますます不安と恐怖が襲ってきました。
だって洗浄しているのがよくわかる。
なぜなら・・・
私の腸が触られている感覚があるからだ!!!
洗浄した液体を吸っているのもわかる。お腹の中を掃除機で吸われているような感覚。ときどき腸も吸われている。
(腸をつかまれている感覚を経験したことがある人って何人くらいいるんだろう。なかなかできない経験しているかも、今。)
こんなことを考えていたときふと思った。
(このあと縫合があるんじゃない?!確か前回はホチキスみたいなもので止められていた。。きっと今回も。そのころには麻酔はもっと切れているはず!。痛みに耐えられるのかっ?!)
完全に覚醒はしていなくて、朦朧としている中考えていた。
そしてついに縫合。
パチンパチン。
止められている感覚はあるけど、耐えられない痛みじゃなかった。
そして手術終了!!最後まで乗り切った!
手術後先生は、
「思ったより時間がかかっちゃって~。ごめんね。」
と。
無事に手術がおわり、その後再発することはなかったけど・・・
もう少し患者さんに寄り添ってほしかったなぁ。
痛みより「不安と恐怖」を何とかしてほしかった。
そういえば、
初めての手術のときも先生は「不安と恐怖」を私に与えてくれた。
その言葉は、
「あなた明日の手術で死んじゃうかもしれないわ。死んじゃったらごめんね。もし、生きられても障害が残ることは避けられないわ。私もやったことがない手術だからどうなるかわからないのよ。全力は尽くすけどね。」
手術前日、未来多き高校生に何てことを・・・
このお話はまたあとで。
障害を持ったお子さんや介護施設で暮らす高齢者の方々への音楽提供活動費に使わせていただきます。たくさんの方の笑顔のために。お気持ちいただければ嬉しいです。