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肉そば(スイスワインとマリアージュ#9)

麺類ならなんでも好きなぼくは、夏の週末のお昼は冷たい麺類が定番になっています。

これまで「韓国冷麺」「冷やそうめん」と定番冷たい麺とマリアージュを試みて来ましたが、今回はあまり多くの方がご存じないと思われる「肉そば」に合わせてみました。

肉そばってなんやねん?

なんか、このおもしろマガジンの本編「スイスでワイン造ってるの?」のタイトルみたいな見出しになってしまいました〜(笑)

関西地方で「肉そば」「肉うどん」というと、温かい出汁に「牛肉」がはいったおそば・うどんを指します*1。今回ペアリングするのは、冷たいおそばに牛肉を載せたものです。

*1 関西で単に「肉」というと「牛肉」を指します(知ってた?)。
「肉じゃが」といえば牛肉ですし、カレーもビーフカレーが主流です。
もし、吉野家さんが関西の発祥だったら、わざわざ「牛丼」といわずに「肉丼」になっていたのではないかというのがぼくの持論です。

この冷たいおそばに牛肉を載せた「肉そば」は西新橋にあるその名もズバリ「肉そばごん」*2というお店の看板メニューでした。

*2 残念なことに「肉そばごん」さんは閉店していました。サラリーマン時代には週に一度は必ずランチに食べていたので、めっちゃ悲しいです。
ちなみに「ごん」さんは、近隣にあった「社長 島耕作」にも登場した、これまた閉店してしまったまぼろしのそば屋「港屋」さんにインスパイアされたようです。

この肉そば、単に冷たいおそばに牛肉をのっけただけではありません。甘辛いすき焼き風の味付けのお肉に刻みのり、小口切りの青ネギ(万能ネギ)、お好みで「天かす」*3、つゆにはラー油が垂らされており、溶き卵につけて食べるという非常にユニークでクセになる味なんです。
麺も普通の蕎麦ではなく、肉の味に負けないよう太めのしっかりした麺で、たしか山芋が練り込まれていたはずです。

*3「揚げ玉」を関西では「天かす」と呼びます。狭い日本でいろんなものの呼び方が東西で違うっておもしろいですね。

もうお店では食べることができなくなった肉そば。その味を思い出しながら自分で作ったで〜

ワイン

合わせたワインはアルプス山脈の南側ティチーノ州のワイナリー「セッテマッジオ」が造る「ヴィンダラ 2017」です。
樹齢45から50年という古木から収穫したメルロ種のぶどうを数週間陰干しして糖度を高め、アルコール発酵後、再びマセレーション(醸し)(30日間)します。その後、樽で2年間じっくりと熟成させたセッテマッジオの最高級ワインです。

すみれや薔薇の華やかな香り、流れるような酸味、適度に感じさせるタンニンのこのワインはまさしくブルゴーニュとボルドーの良さを兼ね備えています❗️

果たして結果は?

焼きナス

肉そばだけではさびしいので、ぼくの好きな野菜No.1ナスを使った料理の中でもダントツ大好き1位の焼きナスを前菜にいただきました。

焼きナスにのせたおろし生姜が引き立ち、焼きナスは美味しくなったのですが、ワインはそのままスルスル〜って感じで、「マリアージュ」って感じではありませんでした。

自家製ふりかけ

我が家定番ごはんのお供

肉そばのつゆの出汁をひいたかつお節で作りました。

かつお節の香ばしさが引き立ち、ワインもふりかけも美味い〜!
焼きナスの失点もここで一気に挽回〜

でも、そもそもふりかけをつまみにワイン飲む人っておるんかな〜(笑)

肉そば

さあ、いよいよメイン・イベント❗️

お肉をつまんで、お蕎麦と一緒に溶き卵につけ、パクリ。
う〜ん、我ながら美味いや〜ん❗️

ワインを一口ゴクリ。

ヤッホー❗️ワインがまろやかになってうまーい❗️
これぞマリアージュ❗️

フルボディーの素晴らしいワインはしっかりめの味付けのお肉に負けることなく、お互いの良さを引き立て合いました。

ちなみにこの「ヴィンダラ2017」は2021年のワインペアリングコンテストにおいて、応募総数600銘柄のうち「ビーフと合わせて最も美味しいワインTOP20」に選出されています。

お蕎麦には日本酒!と思っているアナタ、ワインとの相性もぜひ試していただきたいですね~

今回のペアリングで使用したワインのお求めはこちら ヴィンダラ 2017

Beyond the Glass
ワインを通じてスイス文化を日本のみなさまへ
www.vinumhelvetica.com


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