火を灯しあう人たちの場
【呑屋日記4/8】咲夜の頻伽は、数々の名だたる俳句誌の編集長をしてこられた俳人と、書籍をつくることの使命に熱きおもいのある編集者たちとの宴となりました。
学のない私には高尚な世界…とおもいきや、ロックやR&Bでの比喩、悠久の歴史を愉快な語り口で紐解いてくださり楽しくて愉しくて。
とくに心に響いたのは、
蕉風俳諧の理念である "不易流行"
「いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れてゆくこと」
頻伽をはじめるときに誓ったことだ、不易流行というのか。恥ずかしながらはじめて知った。
仕入れるお酒もつくり手と理念が近いものを選んだこと、
ライスワークからライフワークへシフトチェンジしたこと、
そんなことをふんわり思い出していると、俳人たちの話はますます熱を帯び、日本語のもつことのはのチカラや、能にまつわるあちら側とこちら側、そしてひとつの開眼を得た奥州平泉へ飛んだ。
俳人がそこで体感した話をきいたとき、毛穴から熱がふきだしたような…臍の泉が凪となり芯から冴え渡ったような、そんな両極の興奮が体を走った。
遡る事7年前、頻伽をはじめた年、
屋号を頂いた縁で頻伽の華鬘がある金色堂に行ってみようかな、と軽い気持ちで平泉を訪れた。
芭蕉の碑のまえで不意に感じた感覚、いま聞いた話とおなじ感覚であった。
へんな話でごめんなさい。
みえないこともみえていることもフラクタル…よくわからないけどそんなふうな感じになった。
まあいいか、わたしごとはさておき、
私は3人の編集者にいつしかエールをおくっていた。
こうありたい!こうしたい!本質でやりたい!こんな書をつくりたい!という気持ちを言葉にしてお互いに力をあわせてやっていこうという、自分の仕事が好きだからこその愛と気概。
こうゆう気持ちで繋がった仕事仲間たちは、おおいに笑い、おおいに話し、おおいに激励しあう。
最高だなと思った。
皆が帰って片付けをしていると、R君から「さちさん、いまから5人いけますか?」とLINE。
これまた錚々たるメンツがカウンターにずらり。ラグビーファンがいたら大喜びの選手たちだそうですが、わたくし疎くてごめんなさいね。
こちらを引き連れてご来店くださったスポーツライターのFさん。先程までいた編集者さんの超リスペクトしている執筆家。
文学少女だった編集者のK子さんが、ラグビーにはまったのはFさんの著籍がきっかけであった。
魂のある文章は未知なるフィールドへ人をいざない歓喜の蓋を開ける。
ジョージアの古代製法ワインの存続と復活を担った重要人物もジョージアの文芸誌の編集長であった。
言葉や文章の力はひとのこころになんらかの火を灯す。
火を灯しあった仲間たちが集い、語り、讃えあい、わかちあってゆく場として頻伽に足を運んでくださり、
私はあのとき自己の探究でもある頻伽というライフワークへ踏み出して本当によかったなと思わせていただきました。
俳諧、スポーツ界、文壇、昨日いらした各界の一流のかたが自らの使命を全うする命のつかいかたをしている。
私の心にも火がつきました。
みなさま、ありがとうございました。
NさんとRくんと喫茶店の情報交換がめちゃくちゃたのしかったサチでした
( ◠‿◠ )
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