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大衆路線

社会主義革命の本来の形態は、無自覚な大衆の先頭に立った自覚した少数者が遂行する革命ではない。社会変革のために、大衆自身が参加し、彼ら自身が、何が問題になっているか、何のために彼らは肉体と生命を捧げて行動するのかを、理解していなければならない。大衆が何をなすべきかを理解するためには、長い間の根気づよい仕事が必要である。

エンゲルス『フランスにおける階級闘争』(マルクス)への「序文」

1 拙作の紹介

 現在、以下の第三作品の拙作『商量録 徳の行商・時の推量・自力更生』を著述中です。
 拙作は、ホー・チ・ミン主席の主著『仕事路線の修正』を翻訳しては、中国共産党が掲げている理念を独創的に発展や深化させては、「愛国勤労」という哲学と新しい勤労意識や働き方等の創造を志しております。
 また、過去(夢での経験と記憶)のベトナムで経た日々、そして学び得た理念・道徳・精神・知恵・徳行・忠誠・愛国等をも、改めてかつ新しく学び直してながら、翻訳と拙作の著述に取り組んでおります。

1.1 拙作の表紙

1.2 『仕事路線の修正』

1.3 大衆路線

 社会主義の理念の一つ、そして中国とベトナムには、かつて、「大衆路線」と言う理念がありました。

大衆の生活と要求に基づいて政策を立て運動を進めていこうとする方針。

大衆路線(たいしゅうろせん)の意味 - goo国語辞書

 (中略)絶えず大衆の自覚と自発的行動に依存し、それによって決定されるとともに、大衆のなかでこそその正しさが検証される、とする。「大衆から学び、大衆の知識と経験を集中し、それを系統的ないっそう高度の知識に変えることによって、大衆の行動を指導できる」
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 その時その場の大衆の要求に合致し、大衆と結びついた政策を樹立しようとする政党などの組織方針。特に経済的・文化的要求を組織することや大衆の創意などを政治活動に生かしていくことをいう。

大衆路線とは - コトバンク (kotobank.jp)

 しかし実に残念ながら、ほとんど社会主義国では、この理念は徹底的にかつ初志貫徹して実践と完遂することは出来ませんでした。我が祖国ベトナムでも、大失敗と挫折しました。
 当時、この理念を学び得ては、戦後に共産党員にして役人となって、理念を実践しようと努め励んだ自分もまた、大失敗と挫折しました。共産党の、そしてこよなく愛する祖国ベトナムの、無学で不徳、愚かで醜い、偽り・騙し・欺き・裏切りだらけの現実・惨状・実態・悲劇を、数多く見聞きしました。生き地獄のような絶望をしました。その重傷・激痛・辛苦等は、今でも、そしてこれからも生涯に亘って、負い続けていきます。
 ですが、それは、喜び・誇り・幸せ、そして理念と志もあるが故です。自分は、この拙作を通して、この理念と志を、温故知新を以て、批判的かつ独創的に継承しては、発展や深化させて、革新させていきます。
 以下の通り、現在翻訳中の敬愛するホー・チ・ミン主席の主著『仕事路線の修正』の一部をご紹介いたします。

 標語の設定・仕事の計画の設定・闘争の計画の設定、宣伝・壁新聞の作成・新聞の作成、これらもそのような有様です。困難を忍んで、公衆が、何を必要としているか、何を聞きたかったり、知りたかったり、愛好しているのかを諮問しようとしない。僅か数名の幹部達しか、[しかも]扉を閉じて[仕事を]行い、部屋の中に閉じ籠っては、紙に書いて、自分が行っている諸活動が正しいと思い込み、[また、]自分が書いていることが面白いと思う。ご存知の通り、そのような主観的な[仕事の]仕方では、結果は「あのおじさんの髭を持って、そのおばさんの顎に付ける」であり、食い負かせない(効果が無い)ことであり、浸透(感情的や思想的な影響)の無いことであり、利益の無いことです。

 もう一つ、言及しなければならないことは、幹部の教練についてです。研修は非常に必要なことの一つです。俗語にこうあります:「師がいなければお前はどう成すのだ」、そしてこうもあります:「食べることを学び、言うことを学び、座ることを学び、開けることを学ぶ」と。

 非常に簡単なことですらも学ぶ必要があります。ましてや、革命の仕事・抗戦の仕事で、教練が無ければ、どうやって順調に行うことが出来ましょうか?

 ですから、各教練資料は公衆の実用性・必要性に注目[して作成に取捨選択に修正等]していかなければなりません。こう言わなければなりません:忍んで教練[を受け]に来た人は、直ちに[教練で得た知識を]応用することが出来るのでしょうか?[また、]直ちに[思惟や理論の知識に意志を]実行することが出来るのでしょうか?

 そのように実践しなければ、何年に亘る教練も無益になってしまいます。

 残念ながら、我が多くの教練[を受けた]幹部達はその[理解することが]簡単な筋道を理解していません。それ故に、ある幹部は、「経済学」の教練を、高地に住んでおられる女性の姉妹[達](他人達:親愛を込めた言い方)に施したのです!

 簡潔に言いますと、我々の仕事の仕方・組織化の仕方・談話・宣伝・標語・新聞、等等は、この言葉を規準としていかなければなりません:
 
「公衆の中から出る。後に公衆の中に有る」。
 
 いかなる大事も小事も、私達は明確に審問し、そして、公衆の文化水準・生活習慣・教育水準・悟性水準・闘争経験・欲心・意欲・実状に即していかなければなりません。それに拠って、仕事の仕方・組織化の仕方を決していくのです。そのようにしてこそ、公衆を統率していくことが出来るのです。
 
 [逆に]そうしなければ、もし恣意に沿って行ってしまえば、己の思想に従っては、己の主観に従って、そして柱(大本となる課題に責務や義務等)を公衆の中に持ち込んだならば、それは「靴に合わせて足を斬る」のと何ら変わりません。足は公衆です。靴は我[々]の組織化と仕事の仕方です。誰しもが、足に合わせて靴を調整していくのです。誰も靴に合わせて足を調整しません。

『仕事路線の修正』(Ⅱ幾つかの経験 6.公衆と密接になり、公衆と協調とすること)

 自分もまた、孤独の中で、思惟の中で、自宅の中で、独りで哲学者・思想家・小説家を志しながら学び続けておりますが、社会や国家に、徳を以て何の実利実益実用を齎せるのか?外勤や社交で、徳を以て何の善さや正しさを齎せるのか?好機や適時にいざという時や場で、本当に実践や挑戦できるのか?日々、積極的に深く悩んでおります。

1.4 国政と民生の善き密接な関係

 以下の通り、ホー・チ・ミン主席の大衆との写真にご紹介させて頂きます。写真の出典も以下の通りです。

Những Ảnh đẹp về bác Hồ Chí Minh - (khanhhoa.gov.vn)

 包み隠さずに申し上げますと、プロパガンダや洗脳も多々ありました。隠し・偽り・騙し・欺き等も多々ありました。悲劇や惨劇、不正や悪事、内争や汚職も多々ありました。自分もまた、知らぬ間に、被害者、そして共犯者になってしまいました。
 それでも、天に誓って、間違い無く、確かに自分と最愛の心友にして同志「ズン」は、数多の、善良で温厚篤実であり、愛国心や正義感等に満ち溢れた、血縁関係の無い養母や兄弟姉妹、後輩達・同輩達・先輩達、戦友達や同志達、教官達や士官達に衛生兵達と出会い、共に生き、共に戦い、共に笑い、共に泣き、そして祖国のために戦死しました。
 最終的には裏切られましたが、それでも、確かに数多くの方々、ベトナム共産党・ザップ大将、そしてホー・チ・ミン主席から、本当に数多くの善や正義、崇高な理念や高邁な精神、責任感や義務感に正義感、忠誠心や愛国心等を学び得て、心魂まで体得することが出来ました。
 そしてもちろん、数多くの大失敗や挫折に過失や罪過等も学び知り、その後悔や絶望の念もまた、心魂まで体得しております。
 『論語』に「過ちを改めざるこれを過ちという」とありますが、正しくその通りで、これからも、ますます数多くの悔悟や猛省等を確りと積み重ねては、結局のところ、繰り返される祖国の、そして人類の大失敗や挫折、過失や罪過、不徳や外道等に伴う、徳や道を創って、後世の祖国と人類に遺していくことを志しております。

2 結語

 総じて、国政は多々問題あります。そして私達は、確りと私達が問題とするべきことの一つは、「社会や国家の為に自分達に何が出来るのか?」と言うことではないでしょうか?

ありがとうございます。心より感謝を申し上げます。