広告プランナーが終了するという話
今回はこちらのトークショーのレポートをお届けします。
かなり物騒なタイトルですが、この栗林和明氏はサントリーの「忍者女子高生」や、制作予算たった3000円で3000万回再生を稼いでしまったアメフトチームのPR動画などを手がけた、バズ動画界のお手本ともいえる方。
1987年生まれ。2011年博報堂入社。2017年CHOCOLATE inc.へ。
総再生回数 “3億突破”。話題の量・質・精度を高める。過去100社以上の話題化案を担当。2016年JAAAクリエイター・オブ・ザ・イヤー最年少メダリスト受賞。2017年米誌 AdAge「40 under 40(世界で活躍する40歳以下の40人)」に選抜。カンヌGOLD、ACCグランプリをはじめ、60 を超える海外賞を受賞。
きっかけはこの忍者女子高生の動画。テレビ番組などでも取り上げられたにもかかわらず、地方で「知ってる?」と聞いても「知らない」と言われたこと。800万回以上再生されても、世の中が1ミリも動いておらず、いま広告が世の中の真ん中にないと感じたそうです。
なのでこれからは広告ではなくコンテンツに力を入れよう…と思っても、すでに世の中は膨大なコンテンツが溢れている戦国時代。ここを生き抜くにはどうすれば良いか?
ということで、コンテンツ大国アメリカの例を紹介。
代理店だけ、制作会社だけという業態から、いわゆる代理店、メディア、クリエイターがひとつに集まった「デジタルスタジオ」が増えてきている。
仕組みはこちら
・いいコンテンツを自社制作し配信 →ユーザーを集める
→スポンサーとコンテンツをコラボさせる →自社スタッフがブランドムービーを制作 →資金を集める
→さらにいいコンテンツに投資… というサイクル
WebメディアやYoutuberがマネタイズするのに近い仕組みですが、かなり膨大なリソースが必要ですよね…。
上のように様々なブランドがあるのですが、例えば日本でもカルチャーメディアで知られるVICEは、国際問題や社会問題、音楽、料理など様々なジャンル別にYoutubeチャンネルを開設し、毎日多くのコンテンツを配信。
https://www.houdoukyoku.jp/posts/3988
他のブランドでも、Youtubeでバズったドラマが有料版やNETFLIX版として予算を増やして制作されたり、小説やグッズを販売するなど、コンテンツビジネスを拡大させています。
あのレッドブルはなんと自ら動画チャンネルを持ち、アクティブスポーツや音楽など、まさにレッドブルっぽいコンテンツを配信しています。
日本だとまだ本格的なデジタルスタジオが存在しておらず(近いのはAbemaTVやONE MEDIAか?)栗林氏のCHOCOLATEは、様々なジャンルの面白いツボを横断的に取り入れ、それに今までのバズノウハウを融合させたオリジナルコンテンツを、今後制作していく予定だそうです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本もこの流れになるのか?
ここから私見です。良質なコンテンツ作りはもちろんですが、その周囲の環境が変わらないとなーと感じます。
■Webメディアの地位が上がる(若者はテレビを見ないと言われても、なんだかんだテレビが強く影響力が大きい)
■コンテンツ制作への予算アップ(制作よりも広告配信費に予算が多く割かれがちなので、Web施策全体への予算アップが不可欠)
■視聴分析の最適化やメリットの可視化 (どのシーンで視聴率が上下したか、どのターゲットが多いとか…何人が何分見たなど…現状だと再生数や拡散でしか評価できない)ここは今後AIによって変わるかもしれないですね。
■スマホでYoutubeのバックグラウンド再生ができるようになる(LINEしながらとか、BGM代わりに見てくれる?)
■スマホの通信環境などのインフラ整備
など、他にもありそうですね…
ほかにもこのイベントでためになった話があるんですけど、また更新します!
以上、ディレクターのカナイでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?