見出し画像

自然派ワインへの疑問

先日、ローヌの自然派ワインと、ブルゴーニュのビンテージワイン(=酸化防止剤あり)を同じ日に飲ませてもらって感じたこと。

ワインの価値と自然派ワイン

少し前に、自然派ワインってどんなワインなのか簡単に紹介しました。

その自然派ワインと、今までのワインとの矛盾があるんじゃないのかと。

最近、自然派ワインの作り手で有名な、”Gramenon”というローヌのワイナリーの2012年ヴィンテージ赤ワインと、ブルゴーニュの2007年ヴィンテージ赤ワインを、同じ日に飲ませてもらいました。
ワインの詳細とコメントは、Instagramに載せてます!

今までのワインの価値って、おいしさはもちろんですが、”何年ヴィンテージか”という、熟成期間が、価格や評価にとても影響を与えてきたと思うし、今もそうだと思います。

ただ、近年注目されている自然派ワインは、その逆をいく部分がある。
酸化防止剤が使われていない(ほぼ)代わりに、今までのワインのように、長期間熟成には向いていない。熟成期間中に品質が急速に落ちる可能性も十分にあり得る。

何が言いたいかというと、酸化防止剤が使われていないことが、自然派ワインを定義する上で、一つのポイントとされていますが、あまり重視しすぎも良くないのではないかということです。

自然派ワインは、環境にも人間にも優しい。
でも、それは農法の観点や酵母などを重視して評価されるべきで、
単純に酸化防止剤の有無で良し悪しを判断するべきでない。

そもそも、ワインの発酵過程で少なからず、酸化防止剤に使われている、SO2(二酸化硫黄)は、ワイン自体から発生しているため、加えてられなくとも、含まれているものです。

その点が重視されすぎた場合、今までの長期熟成ワインを否定することになるのではないか?

オーガニック認証の基準?

ただ、消費者にとっては、自然派ワインの基準となるのは、以前紹介したように、認証のマークしかありません。
わざわざそのワイナリーの農法や醸造方法まで調べるのは、ワインに関わる仕事をしている人や、愛好家だけでしょう。

認証のマークがなくても、自然派の作り手と同じように生産しているワイナリーもあります。
近年、環境問題の注目により、認証がマーケットのための手段のようにされていることも事実であり、それを嫌う生産者もいます。
もちろん、認証取得には厳しい基準をクリアしなればならないとされていますが、
認証を取得するためには、それなりにお金がかかるというのも大きな理由です。

認証を望まない自然派ワインの作り手の多くは、"現地”で消費されることを望んでいる場合が多く、海外での消費や高値での取引を望んでいないのです。
それは、ワインが移動することによって、味が変化してしまうリスクが高まことが理由です。

日本は大きなワイン市場で、世界中のワインが日本で飲めることは、とても面白いし、楽しいことですが、フランスでフランスワインが最も消費されていることは、理にかなっているんだど、改めて思いました。


ヘッダーの写真は、Lyonで行ったJajaという自然派ワインのカーヴ。
内装もおしゃれだし、店員さんも気さくで、また行きたい🍷




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?