マティス展で感じたこと
アンリ・マティス『赤の大きな室内』
の前でメリーさん記念撮影。
なんちゃって。
連れていったわけではないです(もちろん)。
だいぶ久しぶりに上野の美術館に行こうという気になりました。
今年前半はルーブル展だの、ブルターニュ展だの、いろいろやっていましたが、なかなか腰があがらず。
でも最近マティス展のことはよくテレビで見かけて、南仏ヴァンスの礼拝堂は昔から興味はあったので、行ってみることにしました。
結果、行って大正解でした。
もともとは印象派が好き(たまにシュールレアリスムも)、ヨーロッパに行くようになってからは古典的な絵画が好きになったりしたので、モダンアートはあまり好みではないのでした。
でも今回は、大病したマティスの晩年の制作活動にも興味を持ったりして、なんだかこれまでとは少し違った作品の見方をしたような気がします。
マティスといえば、色彩ですが
まず好きだったのは、線画。
写真を撮っていいのは限られたフロアだけで、自分が好きな作品を撮りました。
「赤の大きな室内」がパンフの表紙にもなっていて注目されていましたが、私はその近くにあった「黄色と青の室内」のほうにずっと引きつけられました。
ニースの室内の絵も好きです。
南仏の空気と、午後のまったりとした時間を感じてとても心地いい。
年表の上の写真も少し撮りました。
ちょっと見にくいですが、左端のマティスのポートレイト、とても素敵です。大きなサイズも展示されていました。
真中の写真は、モデルのアンリエット・ダリカレールを描くマティス
ブロンズの彫刻作品もけっこう展示されていたのですが
それを見ながら、立体で人体や頭部の構造を手で確認していけば、いくら平面上の線を崩していっても、基本的な構造は感覚として自分の身体の中に入っているのかな、なんて思いました。
そんなふうに感じたことは初めてでした。
南仏のヴァンスの礼拝堂についての展示を見ていると、
教会の鐘の音が聞こえてきます。
ヴァンスの町とロザリオ礼拝堂の朝から夜までを、4Kの映像で大きなスクリーンに映し出しています。
それを聞きながら、礼拝堂の内観写真や装飾のデッサンなどを見ました。
写真右にあるのは、礼拝堂の告解室のドアのデザイン。
なんと、てぬぐいになって売ってました。
映像は光と色が素晴らしくて、鐘の音だけでなく、礼拝堂横を走る車の音までも入っているのがリアルでした。
ステンドグラスからの鮮やかな色の光が堂内に映る様子は昔雑誌でも見たことがあり、憧れていました。
最近の美術展は、グッズもとても魅力的なのですが
今回のマティス展も特設ショップにはセンスの良いものがたくさん。
散財しないように厳選して、ちょぴっとしか買わなかったのですが
会期中にもう一度行きたいかも。
ポストカード3枚に、ロザリオ礼拝堂のミニクリアファイル。
以上!(それだけ?!)
右下の「静物画」が好きでした。
その上のアースカラーのは、「オセアニア、空」と「オセアニア、海」という2つの作品のうちの1つで、切り紙絵をリネンにプリントしたもの。
実物はとても大きな作品です。
この切り紙絵がデザインとしてとても素敵で、リネンの布バッグ、スカーフ、ピアスやネックレス等のアクセサリーとして販売されていました。また、マグカップにもなってましたね。
けっこういいお値段でしたが、欲しかったかも(リネンバッグが2万円弱くらい)。
ついでに、アクセサリーを展示している木製の什器もシックで、センスのいいショップみたいでした。
思うにマティスの絵って商品展開しやすいんですね。
Tシャツも白地だけでなく、ブラウンのようなシックな色もあったので、着たいと思わせます。
ポストカードを飾るためのマットも数色取り揃えてあって、
窓のサイズもちゃんと合うものが数種類販売されています。
ショップだけでも、また行きたい・・・。
あ、壁にかかっている細長いものが、告解室のドアのデザインの手拭いです。
ショップの中で最も目を引いたのは、
ガラスの戸棚に展示されていたマティスのデッサン帖の復刻版。
それをリトグラフにしたものを額装して販売されていました。
そのなかで気に入ったのが、中世の詩とマティスの線画のコラボ。
あれはたぶん、フルール・ド・リスかな?
2種類あって、どちらも16万5千円。
欲しいなあ・・・と思って何度も眺めてしまいました。
***
以前は上野公園に入った途端、ものすごく重いものに押し返されるような、水の中を歩くような重さを感じて、具合が悪くなったりしていましたが(公園を出ると大丈夫になる)、最近は平気になったかもしれません。
上野戦争のせいかと思いますが、慣れたのかな??
上野は近くはないのだけど、ピンとくる展覧会はやっぱり行かないと、と思ったことです。
書くこと、描くこと、撮ることで表現し続けたいと思います。サポートいただけましたなら、自分を豊かにしてさらに循環させていけるよう、大切に使わせていただきます。