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初等教育資料2021-2月

 小学校の外国語と外国語活動のについての研修ガイドブックが公開されて数年がたちますが、小学校外国語科においては言語活動についてしっかりと考えが深まってきているように感じます。少なくとも、自分の周りではそのように感じます。研修ガイドブックには知識・技能の定着を目指した「練習」と思考力・判断力・表現力が活用されながら知識・技能が活用される「言語活動」とが明確に区別されています。2月号ではその確認について触れられています。

 また、教育課程研究指定校の実践例が取り上げられています。大分県佐伯市立明治小学校の実践例が紹介されています。こちらの学校では言語活動に必要な要素として、「必然性」、「ほんもの」、「相手意識」、「コミュニケーションの意義や楽しさ」の4つを挙げています。学習指導要領解説にも言及されている内容をより具体化した感じになっています。

 個人的にここで大切にしたいのが「必然性」です。「必然性」というともちろん英語を話さなくてはいけない目的・場面・状況を考えることにつながります。ここを突き詰めていくと、「日本人同士で英語を話す必然性がない」という結論にたどり着く方も多いように思います。しかし、それは本当にそうでしょうか。

 こちらのYoutube をご覧ください。https://www.youtube.com/watch?v=Ge7c7otG2mk

 Ms. PascalがTED Talkで話している中に、ちょうど10分あたりに興味深い内容があります。全世界の英語の話のうち、わずか4パーセントがネイティブスピーカー同士の会話で、残り96パーセントはネイティブとノンネイティブ、もしくはノンネイティブとノンネイティブの会話だということです。日本人同士での英会話も後者に属するわけです。もちろん、これはビジネスなどどうしても使わないといけない状況があるからこそ日本人同士で英語を使っていると考えることもできます。しかし、将来日本人同士で英語を使う可能性が高くなっているからこそ、日本人同士くらい緊張感なく話せるようにならないといけないと私は考えています。

 私がシアトルに留学していた時に、ホームパーティーがありました。そこには、韓国からの留学生数人、日本人留学生数人、ホストファミリー、ホストファミリー長男(高校生)の友達10数人(現地のシアトルの高校生)が集まりました。ちなみに、ホストファミリーのうち、母親、母親の弟はフィリピン出身です。すると、韓国人同士、日本人同士、フィリピン人同士で話すときは母国語、話し手の中に一人でも違う国籍の人が加わると英語を話すという不思議な空間になりました。家の中で色々な言語が飛び交っていました。これがこれからの未来なのではないでしょうか。日本でも、身近な職場においてこういうことが起きてくるのではないでしょうか。そんな時代が目前に迫っているときに、日本人同士に話す必然性がないって言い続けるわけにはいきません。初等教育資料を読みながら、ちょっと古い思い出がよみがえってきました。なつかしい。。。

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