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【続報】NewsPicksの取材により、hey社CEO佐藤裕介氏がついに経歴詐称を認める「元Google天才エンジニア」/STORES/佐俣奈緒子/佐俣アンリ/光本勇介/

以前報じたhey株式会社CEO佐藤裕介氏の経歴詐称疑惑について、NewsPicks社の取材により「経歴詐称」が確定した。

経緯はNewsPicks社が出版している書籍『STARTUP 優れた起業家は何を考え、どう行動したか (NewsPicksパブリッシング) 堀新一郎』の中で「(佐藤裕介氏は)Googleにエンジニアとして入社」と記載していたため、事実を確認するべく私が問い合わせたところから始まる。


423px-STARTUP_優れた起業家は何を考え、どう行動したか_(NewsPicksパブリッシング)p179

書籍内179ページから引用「"2008年にエンジニアとしてGoogleに入社"
※脚注(4)参照記事 https://www.onecareer.jp/articles/902 」(不要部黒塗り)

NewsPicks社による事実確認

NewsPicks社の対応はとても迅速かつ誠実であった。佐藤裕介氏の経歴詐称と思われる書籍内記述について、会社としての公式見解を示していただけた。了承を得たため不要部を黒塗りして公開する。

NewsPicks佐藤裕介氏経歴詐称疑惑への回答

(NewsPicks社からのメール)

NewsPicks社が明らかにした重要な事実が2つある。

・書籍執筆時に「本人確認」を経ている(2020年3月ごろ)

・現在改めて確認したら「正確にはGoogle日本法人に入社」であると回答を得た

つまり佐藤裕介氏は事実上、NewsPicks社に対して「経歴詐称」を行ったことを認めたも同然である。

「経歴詐称」の悪質性

では果たして、この「経歴詐称」は故意なのか、過失なのか?また「誰が」関わっていたのか?

私の個人的見解を示すならば「悪質な会社ぐるみでの経歴詐称」だとしか思えない。この経歴詐称は「故意」であり、副社長の佐俣奈緒子氏や社内の広報部署なども関わった「会社ぐるみ」の悪質な手法ではないか。

経歴詐称は「確信犯」

佐藤裕介氏の経歴詐称については、前述のNewsPicks社のみならず『エンジニアtype』でも同様のケースが発覚している。経歴について「本人と広報担当者同席の上で"Googleエンジニア"とインタビューで答えた」という。

『エンジニアtype』は2019年2月の記事であり、NewsPicks社書籍は2020年3月ごろの取材に基づくとされるため、時間的な隔たりがある。同時期であれば「たまたま当時の広報部署と本人の記憶に問題があった」という言い訳も考えられなくもないが、1年間の隔たりがあって同様の経歴詐称を行ったのだから、確固たる意志と会社としての方針に基づいた「計画的犯行」だったと考える方が自然だろう。

たった1件なら別であるが少なくとも2件は「事前に本人に確認」を経た上で経歴詐称が発覚している。常識的に考えて「うっかりミス」である可能性は低い。

なぜ経歴詐称を行ったのか?

佐藤裕介氏は既に起業家としての実績があり、決して本人にエンジニアとしての能力が求められるようなポジションでもない。資産も10億円以上は優に持っているのではないかと思われる。しかし、それにもかかわらずなぜ「元Googleの天才エンジニア」を詐欺的に名乗ったのか?

この謎を解くため、あるスタートアップ業界の奥地で事情通の本職エンジニアの人物に見解を伺ったところ「採用のための広報戦略ではないか」という仮説を聞くことができた。

DJAA:「Googleのエンジニア」を自称することはブランディングとして有効なのでしょうか?

事情通:部分的には有効ではないか。特に、採用のためのブランディングという線がありえる。

――事情通の人物いわく。

スタートアップ業界のエンジニア界隈では「優秀なエンジニアの人の下で働きたい」と考えている人が多い。エンジニアの技能はある種の職人技でもあるから、間近で見て盗みたい、スキルアップのために色々教えて欲しい、というわけだ。またどの業界においてもエンジニアは不足気味であり、年収も高額化し、採用自体が難しくなってきている。その情勢下でECプラットフォーム「STORES」を運営するhey社は、様々なテック系イベントのスポンサーを行うなど、採用のための活動を活発に行っている。社長の佐藤裕介氏が「元Googleの天才エンジニア」を詐称したのは、経歴に惹かれてやってくるエンジニアを採用するための広報戦略だったと考えたら納得がいく。

――そしてまた佐藤裕介氏の経歴詐称についても、以前から噂になっていたという。

佐藤裕介氏の経歴詐称についてはだいぶ前から噂として広まっていた。業界内の認識ではソフトウェア・エンジニアではなく、アドテク(広告システム)の人物だ。もちろんIT系の知識が無いわけではないだろう。だが畑が違う。エンジニアを自称する人間ならいくらでもいるし、曖昧な定義だからそれはいい。しかしエンジニア界隈で評価される本物の「天才エンジニア」は、名前を調べればすぐに実績が明らかになる。佐藤裕介氏については、それが無い。

経歴詐称に関与した人物は?

佐藤裕介氏は、2017年時点では「エンジニア」を自称していなかったようであるが、2018年から「Googleのエンジニア」を自称するようになっていく。この2018年とは、hey社を立ち上げた時期と一致する。

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hey社の副社長かつ採用広報を担当する佐俣奈緒子氏はもちろん把握していただろうし、立ち上げから関与していた光本勇介氏や佐俣アンリ氏も把握していた可能性はあるだろう。特に佐俣アンリ氏は「ベンチャーキャピタルANRI」としてhey社に出資もしているのだから、当然、佐藤氏の本当の経歴も把握していたに違いない。だが見ていなかったのか、それとも黙認したのか、経歴詐称については現在も一切のコメントを出していない。

また佐藤裕介氏の秘書兼広報の上野瑠衣氏(通称うえのるいーず氏)も、経歴詐称について関与していたと考える方が自然である。現在は鍵アカになり、自身のnoteアカウントからhey社に関する記事はすべて削除された。「頭ポンポン」の問題なのか、それとも経歴詐称の問題なのか、どちらにせよその問題と反省は曖昧なままである。

責任を明らかにせよ

上場を控えると目されるhey株式会社であるが、社長自らの経歴詐称など前代未聞の事態であり、大きな痛手になるのではないか。

またスタートアップ業界では資金と存在感の大きいhey社と関連するベンチャーキャピタルANRIが、まったくの自浄作用を発揮しなかったことを、今後も忘れてはならない。

「身内には甘い界隈性」は明らかである。光本勇介氏によるテキーラチャレンジ女性急死事件においてもダンマリを貫く関係者たちについて、私は再三の批判を行ってきた。

今回登場した人物たちは、身内擁護など無いかのように二度と語るべきではない。身内の不祥事にはダンマリで、批判されれば「イノベーションを潰す気か」などと幼稚な反発を繰り返すばかりの自浄作用のない腐ったビオトープみたいな界隈ではないか。D&Iだとか、素晴らしいことをやってほしいなどと高望みしているのではない。単純に「悪いことをするな」と言ってるのである。heyやANRIの関係者にとって、これはそんなに難しいことなのだろうか?

頭ポンポン、社長が経歴詐称、テキーラ事件、どれも起こるべくして起きたのではないかと私には思える。急速な成長を求められるベンチャー企業に、企業として同時に求められてしかるべき倫理観が伴っていないことが根本的問題なのだろう。もちろん素晴らしいベンチャー企業とベンチャーキャピタルは世の中に多く存在している。おかしいのはheyやANRI、また名前の出ない闇のVCなどの一部である。Twitter上でも、スタートアップ業界内にいながらこのようなモラルの低い行為への嫌悪感を正直に表明する人も多い。

淘汰されるべきなのだ。倫理観も企業のひとつの指標である。"資本主義"は倫理観も経済的価値として計測を行う。まともな会社だけ残ればいい。まともではない会社と、そのような会社を助長するまともでない投資家たちも淘汰されたらよい、と私は考える。

モラルの低い人物たちに金を流すべきではない。

謝辞

本件の疑惑追及にご協力いただいた方々に感謝申し上げます。また決定的な取材を行ったNewsPicks社にも感謝を申し上げます。またその多大な功績を賞賛したいと思います。


他検証したい人はESGwikiの「佐藤裕介」のページを要参照。大量に資料あり。
https://esgwiki.org/wiki/%E4%BD%90%E8%97%A4%E8%A3%95%E4%BB%8B


(ヘッダー画像本人Twitterより https://twitter.com/usksato

追記:もしかして「ただの営業?」

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はてなブックマークにて「(佐藤裕介氏がGoogleに在籍したのは2008年4月から17か月間で、退職時のポジションはDirect Ad SalesのClient Services Representative」などの指摘あり。

物証はないが、これが真実であれば要するに「顧客の担当をしている営業」であり、一般的な意味で解釈される日本の「営業マン」のイメージとほぼ一致する。となると恐らく「開発担当」も詐称である可能性が高い。もちろんエンジニアとしての実務はまったく行っていないだろう。

職業差別をするつもりはないが、Googleのエンジニアは極めて特殊な職種であり、エンジニアとエンジニア以外は権限が異なる。Google日本法人の営業というだけでも十分に素晴らしい経歴であるが、Googleのエンジニアと比べると大きく異なる。例えるなら東京大学の理一と理三くらいの違いがある。そしてもちろん、理一の人間が理三を自称したら「経歴詐称」になるだろう。

物証を探すことは難しいだろうが、念のため追記しておく。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/note.com/vetement/n/nf80cda68e0b6

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