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2023年1月の記事一覧

タマネギ中毒を起こしやすい犬種は?

タマネギ中毒を起こしやすい犬種は?

概要:タマネギ等のネギ類は犬猫に溶血性貧血を起こすことがあります。日本犬では遺伝的に高カリウム/高グルタチオン赤血球を持つ個体がおり,中毒物質による赤血球の酸化が起こりやすいです。加熱しても発症するので,ネギ類を用いた料理の誤食に注意です。犬では1kgあたり15~30gが中毒量と報告されていますまたペットへの投薬補助で人間のベビーフードを使うのも避けたほうがよいと思われます。

詳しく:

タマネ

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中毒8 ツツジはペットが食べても平気なの?【中毒】

中毒8 ツツジはペットが食べても平気なの?【中毒】

概要:ツツジ属の一部の種にはグラヤノトキシンなどの毒性のある物質が含まれているため,犬猫だけでなく広く動物に中毒を起こします。実験では犬1kgあたり7μgのグラヤノトキシンの非経口投与で嘔吐が起こります。人間ではツツジの蜂蜜による中毒も報告されています。飼い主の方もツツジの摂取には注意が必要です。

 

詳しく:日本では4月から6月頃にレンゲツツジ(Rhododendron japonicum

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中毒7:犬のスイセン中毒【解説】【中毒】

中毒7:犬のスイセン中毒【解説】【中毒】

■概要:
毒性学の父であるパラケルスス (1492ー1541)の残した言葉に「全ての物質は毒であり,毒でないものはない。服用量が毒物と薬物を分ける」というものがあります。何事も適正な量を守るべきですが,本日はその具体例としてペットが中毒を起こす可能性のある観葉植物の一つ,スイセンを取り上げます。

スイセンは冬から春にかけて黄色い花を咲かせる美しい植物です。
人間ではニラと間違えての誤食による中毒

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