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『フミオ劇場』まとめ

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昭和初期生まれ“めちゃくちゃ系父“のエピソードを小説風連載にしたものです。 家族が被った数々のネタを書き残しておこうと、昨年よりnoteで始めてみました。 80%実話で、20%… もっと読む
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#堺市

フミオ劇場 1話『ワシの誕生日は3つくらいあるんや』

フミオ劇場 1話『ワシの誕生日は3つくらいあるんや』

「ワシの誕生日は三つくらいあるんや」

フミオはそう言うと、マッチでショートホープに火をつけた。

「役所へ届けたのも学校に出す書類も毎回ちごうとった。だいたいそのへんやろって。まあ昔はみんなそんなもんちゃうか」

まるで他人事のような口ぶりだ。周囲が「大変ですね」「かわいそうに」「えらいことなりましたな」と言う時ほど「世の中そんなもんじゃ」と、軽く流す。逆に他人にとってはどうでもいいことが、フミ

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フミオ劇場 3話『初めてお見合い相手(妻・三枝子の回想)』

フミオ劇場 3話『初めてお見合い相手(妻・三枝子の回想)』

 【3話はフミオの妻となる三枝子目線です】

 親に言われるがまま、初めて見合いをしたら、1週間後には結婚が決まった。

 3ヶ月後にはフミオの嫁になった。

 三枝子の気持ちは重要視されなかった。

 身体が弱く入退院を繰り返す父に代わって、母が懸命に働き5人の子を育てた。三枝子は長女で弟と3人の妹がいる。

 母の願いはただひとつ、娘たちが成人したら順にお金持ちの家に嫁がせて、安心することだ

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フミオ劇場 8話『友達っちゅうもんはな』

フミオ劇場 8話『友達っちゅうもんはな』


「ここへ座れ」

 フミオが娘の樹里を呼んだ。


 畳に胡座をかいて腕を組んでいる。


「今からパパが大事な事いうからな。しっかり頭に入れろよ」


「なに?」


 樹里はチラッと壁の時計を見た。
 明日は中学の入学式だ。

 ハンカチとティッシュ
 メンソレータムリップ
髪を結ぶゴムも探さないといけない。

 忙しいのに大事な話て、何なのだ。

 何でも良いけど短く済ませ

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