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「自分の人生をぶつけ、自分の人生を問いなおせる経験だった」 殻を破って挑戦する高校生から刺激を受けた社会人フェローシップ-vol.1

Masataka Nakazima
学生時代は、アジアでバックパック、カナダ/米国でのワーキングホリデー、アフリカ大陸横断自転車の旅など海外を舞台に一味違う挑戦を続けてきた。very50でインターンも2年経験。大学卒業後は新卒で株式会社メルカリに入社し、メルペイの決済事業立ち上げメンバーに。2020年1月よりWASSHA株式会社に転職。現在は、アフリカの漁師の安全と収入改善を目的としたフィッシング・ライト事業、現地人材採用などに携わっている。

■MoGにフェローとして参加しようと思ったきっかけ
 まずvery50を知ったのは大学1年生の時でした。当時それまで海外に行ったことがなかったので、海外に行きたいなとは思いつつ、旅行とかではない方法を模索していました。そんな時に、「ソーシャルビジネス」「東南アジア」とネットで検索して見つけたのがvery50でした。たまたま国際交流インカレサークルの先輩がvery50のインターンをしていて、その方の勧めもあり2013年インドネシアMoGに参加をしました。そこで出会った社会起業家の姿を通じ、「世界には本気で社会に存在する問題を解決しようと命を燃やす人がいるんだな」と心から感動したことを今でも覚えています。その後very50でインターンもやりました。very50での経験やバックパック、カナダでのワーキングホリデーなどを通じて、本当に価値のある学生時代を過ごせました。

 大学卒業後は新卒でメルカリに入社しました。もともと外資の広告代理店に内定を頂きそこに行く予定だったのですが、もっと自分が身近に使っていて気持ちが込められる仕事をしたいという思いでギリギリで就活を再開したのは今でも懐かしい思い出です。おかげで、決済事業の立ち上げという貴重な経験をさせて頂きました。

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学生時代、自転車でアフリカ大陸を横断

 もともと社会人1年目の時からフェローシップ制度については代表の菅谷さんや副代表の谷弘さんから話を聞いていました。インターン時代から高校生のプロジェクトを引率しているvery50スタッフの姿を見ていたので、個人的にはいつか自分も挑戦してみたいなと思っていました。社会人2年目に入った時に副代表の谷弘さんから、この夏にフェローシップをやってみないか?と誘って頂いたことがフェローをやるきっかけでした。

 フェローシップ参加の決めては大きく3つあります。1つ目は教育への関心です。学生時代からvery50でインターンをするくらいなので、人の成長や人が変わっていく瞬間に関われる “教育”は、関心の強いトピックでした。それはメルカリ入社後も変わらず、むしろメルカリの中でも教育に関心のある人が多かったので、教育は常に自分の中のホットなテーマでした。なので、社会人として働きながらも高校生の教育に携われるフェローシップは個人的にとても魅力的でした。2つ目は若い時にチームマネジメントの経験が得られるということです。これ結構共感してくれる方多いと思うんですけど、普通に仕事をしていてもなかなかマネジメントって経験できないと思います。若手の時代に、10~15名のプロジェクトチームを率いるという経験は、自分にとっても良い成長の機会だなと思いました。3つ目は、社会人になって自分がどれだけ成長したのかを試してみたい気持ちがありました。自分の実力を業務以外のところで活かしていけるかどうかという挑戦は、やってみたいと素直に思いました。

 自分が担当することになるプロジェクトは、現地ワークで計9日間カンボジアのシェムリアップに行くというものでした。very50スタッフの方から日程の心配をされたこともありましたが、土日と有給を使えば特に問題なかったのでそこへの不安はあまりありませんでした。もちろん休みがないのは少し体力的にきついかなとも思いましたが、振り返れば非常に有意義な有給の使い方だっと思います。この点は勤める会社によって様々かと思いますが、もし有給が取りやすい環境ならば、フェローへの挑戦はとてもお勧めしたいなと思います。

■渡航までの事前準備
 プロジェクトがキックオフしてからは、生徒たちとメインは文面ベースのコミュニケーションを取っていました。生徒たちから進捗を文面で投稿してもらい、移動中にそれを読んで仕事の合間や夜とかに文面でフィードバックを出していました。実はちょうどフェロー期間が始まってから、仕事が結構忙しくなったんですよね(笑) そういう意味でも文面ベースでやり取りできるのはとても有難かったです。

 担当が東京の高校生たちだったので、渡航前に2回程度休日を使って生徒たちと直接顔合わせもしました。高校生の妹がいるので高校生の雰囲気はイメージできていたのですが、初めて会う生徒たちと上手く信頼構築できるかは正直結構不安でしたね。社会人って普段どんなことやってるとかもあんまり知らないだろうなと思っていました。事前期間はプロジェクトの話も大事だと思いつつ、まずは自分がメルカリでどんな仕事してるとか、学生時代の話とかもシェアしながら“お互いを知る”ことに努めました。

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プロジェクトメンバーと初の顔合わせ

 プロジェクトという面では、まずいかに生徒たちの熱量を上げていくかに主眼を置いていました。マーケティングやビジネスに初めて挑戦するというメンバーがほとんどだったので、当然最初から完璧なアウトプットは出てきません。「クラウドファンディングをやろうと思っている」とか「新商品作ります」とか突発的なアイデアも結構出てきます。ただその時に、全てを否定しては生徒たちのモチベーションダウンになりますし、反対に全てを肯定していれば、成果を出すプロジェクトには繋がりません。どの程度自分が口を出すか、というのは常に試行錯誤の連続でしたね。まずは「何でそう思ったの?」と聞くことを意識しながらも、ある程度は生徒たちの自由にやらせていたと思います。勝負は現地の期間だと思っていました。

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渡航直前の事前授業で、進捗を報告する生徒たち

 振り返ると、この期間はvery50のスタッフの方と密に情報共有をしていたと思います。生徒たちへのマーケティングやプロジェクトマネジメントなど授業はvery50スタッフの方が担ってくれます。なかなか自分だけでは背景や生徒の様子を理解するのに限界があったので、「授業でどんなことを教えたのか?」「参加する生徒たちのキャラクターは?」「生徒のモチベーションの様子は?」など、very50のスタッフの方から話を聞くことで、情報をアップデートしていました。背景が理解できると生徒たちの進捗報告の内容により納得できる部分もあって、フィードバックを出しやすくなって前に進んでいけたと思っています。仕事もあり、限られた中での事前期間だったので、very50スタッフの方が自分とのコミュニケーションを大切にしてくださっていたのはとてもありがたかったです。

■現地に行ってから
・もし自分がプロジェクトメンバーだったらどうするか?
 事前準備期間に直接会ったことがあるメンバーも多かったので、特にコミュニケーションのところでは問題なくプロジェクトに入っていくことができました。序盤は事前準備同様、信頼構築を意識していました。ただ今回はよりプロジェクト面で生徒たちの信頼を獲得したいと思っていました。序盤は今まで通り生徒たちの意見を尊重しつつも、渡航前期間よりは少しだけ踏み込んだフィードバックを出していたと思います。具体的には、各チームの現状のアイデアをホワイトボードを使って整理してあげること、そしてそこから気になった点を「みんなの今考えている路線でいうと、もう少しこういうことも検討しても良いかもしれないよね」、とadd onしていくような形でファシリテーションしていました。正直毎回、今の整理で良かったのか?今の指摘で良かったのか?といった不安な気持ちは常にあったと思います。

 ホワイトボードを使った整理や生徒の考えている路線にadd onしていくフィードバックは個人的には序盤にはとても効果的だったかなと思います。やっぱり、プロジェクト全体の話でも、プロジェクトを通じて抱えている生徒自身の悩みであっても、「この人に相談したい」と思ってもらえる存在を目指していました。そういう点で、生徒たちを最初から全て否定するのではなく、スタックポイントの整理などをまずはしたことで、効果的に信頼構築に繋がったなと思います。

 生徒たちの現状を整理するにも、フィードバックを出すにも、意識していたことは、もし自分がこのプロジェクトをやっていたらどうするか?と常に自分なりの考えをもっておくことです。このフェローはもちろん引率という立場はあるものの、決して教える側ではありません。生徒とフラットな関係で、時には壁打ち役にもなるし、時にはチームの推進を手伝いながら、一緒にプロジェクトを作っていきます。そういう意味でも、まずは自分がアイデアを持っておくことを意識していました。ただ決して自分の持っているアイデアが正解ではないので、自分が言ったことをただ生徒たちがやる、といったことにはならないよう生徒への伝え方は工夫していたと思います。いずれにしても、自分がプロジェクトメンバーだったらどうするか?は毎日頭をめぐっていましたね。

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事前に熱量を上げられていたので活発な議論が生まれており
フィードバックのしがいもありました

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次回はvol.2として、プロジェクト中盤~最終プレゼンテーション、社会人フェローシップを振り返っての記事を紹介します。

フェローシップ制度に興味のある方は、以下より詳細をご覧ください。
社会人フェローシッププログラムHP:https://www.very50-fellowship.com/
very50 HP:https://very50.com/