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博士論文に挑戦しようと決めた理由(前編)
担当者:北野
very50 北野です。今私は、very50でのスタッフ勤務と並行して、大学院博士課程に在籍し、インドネシアにおける「社会開発」について研究しています。これは、9年間勤務した会社を思い切って退職し、自分自身に課した挑戦です。
今回は3回に分け、この挑戦への思いと、そこに至るまでの経緯を書いていきたいと思います。
MoGで出会った運命のフィールド
※MoGとは、私たちvery50が提供する問題解決型のプログラムです
私が研究でフィールドとしているのは、インドネシア・ボゴール県の小さな農村です。この農村では、現地のNGOを中心として地元住民の人々が力を合わせ、ゴミのポイ捨て削減やリサイクル促進などを通じて環境問題に取り組んでいます。外国政府や国際機関の援助枠組みに頼らず、資金繰りを含めて住民主導で活動を継続する様子に強く関心を持って研究しています。
実はこの農村、私が前職在籍中、有給休暇を取得して参加したMoG(Mission on the Ground:2015年春)で訪れた、まさにその場所です。MoGで初めて渡航してからプライベートで何度か訪問していて、今年も10月末から1ヶ月程度、滞在します。私が会社を退職して「博士論文を書こう」と決めたのは、他でもない、この村の人々と出会ったことがきっかけでした。MoGを通じて活動を知り、話を聞き学ぶにつれて、この村の人々には、計り知れない底力と世界を動かすポテンシャルのようなものが潜んでいるのではないか、と感じるようになったのです。
世界を変えるのは、イブイブたちかもしれない
些細なことですが、たとえばこんなエピソードがありました。この村では、定期的にゴミ拾いや掃除のイベントを開催しています。日曜の朝7時から住民が集まり、道端を掃除します。ある日、前日に参加すると約束したはずの男性陣がなぜか誰も現れず、結局集まったおばちゃん(インドネシア語で、イブイブ)たち一同で掃除をすることになりました。
道端は見違えるほど綺麗になり、達成感に浸って記念撮影に盛り上がっていた矢先。イブイブたちの目の前で、掃除に不参加だった男性がまさかのポイ捨て(!)。参加していたイブイブは、ここぞとばかりに大声を張り上げて怒ります。そしてバツが悪そうにゴミを拾いその場を立ち去る男性の後ろ姿…。このゲキ怒りするイブイブたちの姿を見て私は感じたのです。「世界を変えるのは、イブイブたちかもしれない」と。
(次回へつづく)
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