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ミュージカルが大好きなんです(2)~劇団四季『オペラ座の怪人』

今日は私が愛してやまない劇団四季『オペラ座の怪人』についてお話させてください。※盛大なネタバレも含みます。

残念ながら昨今の諸事情により、まだ東京新劇場から解禁となった新演出も、新たなファントム役者さんが続々とデビューされているのも拝見できていません。観劇そのものに3年くらいブランクのある私の思い出の域を超えない内容、ご容赦ください。

あらすじ~劇団四季公式HPより

劇団四季キャストが吹替えを担当した金曜ロードショー放送回がBlu-rayで発売されたがために、Blu-ray再生ハードディスクから購入しました。それくらいこの作品が好きです。

オペラ座・観劇回数32回

先日の投稿、手元に大切にファイリングしてあるチケットとキャスト表の数を数えると32回…オペラ座中毒?!いえ、上には上が。劇団四季を代表する『オペラ座の怪人』『CATS』この歴史ある2作品についてはそれぞれ初演の頃からの熱心なファンの方々がいらっしゃいまして、1作品3桁を超えるほどの回数ご覧になられたという方も大勢いらっしゃいます。観劇する作品の選択にあたっては、歌唱演目重視、ダンス演目重視というように人それぞれ傾向は分かれるようです。そういう目の肥えた方々に師事しながらいろんな楽しみ方を教えて頂きました。

作品主義

「同じ作品を何回も観て飽きないの?」と思われることでしょう。

劇団四季には、いつ何時、どんな役者が演じても最上級のクオリティーを観客に提供する作品主義という御約束があります。表舞台に立つ役者さんだけでなく、それを支える舞台裏スタッフさん方々の存在もあってのこと。

たとえ劇団四季の会員となって先行予約で良席チケットをとれたとしても、その日にどんなキャスティングがされるかは神のみぞ知る。原則、週のはじめ月曜日午前10時(休演日)にどの役者さんが登場するか公式HPに発表されます。新役デビューや突発的アクシデントがあると変則的になります。

作品が好きになり、主要キャストが好きになり、アンサンブルキャストが好きになっていく。そうなるといろんな組み合わせで観てみたくなるのも人情。気が付いたらチケットを買い増して足繁く劇場に通っていました。

※事前に公演日と出演キャストを発表してチケットを売り出す手法のことはスターシステム/スター制とよびます。

座席の選び方

何度も通っていると主要キャストのみならず、アンサンブルの動線まで覚えてしまいます。それを踏まえて私は下手ブロックの前方席が好きです。そのあたりで繰り広げられるドラマチックな展開に心をわしづかみにされるとだけ申し上げておきます。

プラチナトライアングル

放置していたアメーバブログに過去の観劇記録が残っていました。アメーバブログは誰かに伝えようと意識して書いたものではないので読み返すと自分でもかなり恥ずかしいです。ちなみに、これは当時のコアなファンの中でプラチナトライアングル [ファントム 佐野正幸さん/クリスティーヌ 苫田亜沙子さん/ラウル 北澤祐輔さん]と呼ばれた組み合わせのキャスティングが観たくて名古屋まで飛んでいったときの投稿です。『オペラ座の怪人』を一言で言うと三角関係の恋模様のお話。このトライアングルを拝見できたのは、私も32回のうち1回(もしかしたら2回?)かと。映画と違って舞台は一期一会。「観たいときに観る」を逃したら二度とは巡り合うことはありません。これは、高井治さんのファントムを半日違いで1度も観ること叶わなかった教訓でもあります。

動画2:40~私の大好きな御三方によるイベント歌唱披露ご覧ください。

200字コメント

作品へのリスペクトを込めた感想は劇団四季公式HP・200字コメントに投稿していました。掲載して頂けるようになって文章を書くことの喜びにも気づかせてもらいました。文字数制限200字ジャストで作品の醍醐味を言葉にするにはどうしたものかと、語彙を研究してみたり。私の観劇用ペンネーム・広島の四季ファンの投稿もまだ残っていましたので1つリンクを貼ります。

舞台セット

『オペラ座の怪人』というとシャンデリアに目がいきますが、劇場に行かれる方は是非黒い舞台にご注目ください。過去の劇団四季の会報によれば、作品を支える黒い舞台は日夜スタッフさんの手によって磨かれてメンテナンスされているものと。前方席で観ても、二階席から観ても、黒光りする舞台には役者さんの姿が映りこむほどです。決して表には登場しない舞台裏のスタッフさん方々への敬意を前述の200字コメント冒頭「黒より黒い舞台」という言葉に込めました。

記憶に残る音楽

この作品はアンドリュー・ロイドウェーバー卿が当時恋人(のちに結婚、離別)だったサラ・ブライトマンをスター街道に押し上げるため、彼女の音域が活きるように作曲されたことで有名です。劇団四季版1988年初演でヒロインを演じたのは劇団創設者である故人・浅利慶太代表の夫人 野村玲子さん。

劇団四季版クリスティーヌが歌うTHE PHANTOM OF THE OPERA、本家本元と同じ高さのキーまで上がったのは、2017年3月横浜公演から。クリスティーヌの出す高音ソプラノはもはや人間技ではなく高級な楽器の音色のようです。「オペラ座の怪人 最高音」と検索するとHi-Eとあります。同年12月京都公演からはこのシーンにバックコーラスが入る演出変更が加わっています。その2点をふまえて以下の動画をご案内します。

動画1:26~最高音部分

普段全くテレビを観ない私も、このFNS歌謡祭は見ました。舞台上のファントムとクリスティーヌの間を潜り抜けるカメラワークには度肝を抜かれました。後述します佐野正幸さん演じるファントムの指にもご注目。クリスティーヌを歌うは山本紗衣さんです。別作品ではありますが、『リトルマーメイド』でアリエルのお姉さん役を演じた方の中からクリスティーヌ役に抜擢される傾向があるのかなと。山本紗衣さんもその御一人。

同じ歌姫でも私はカルロッタが作品冒頭劇中劇「ハンニバル」静寂を破ってトップギアのアカペラで歌うカデンツァ(超絶技巧)が大好きです。以下動画で一部見ることができます。冒頭0:12まで瞬きせずにご覧ください。こちらの動画では河村彩さんがカルロッタを演じています。

ファントム役・佐野正幸さんの指

動画1:38~ご覧ください

初演の舞台ではアンサンブル・ヘアードレッサー役…そして怪人の恋敵役ラウルを経てファントム役を演じていらっしゃる佐野正幸さん。初めて佐野さんがご登場になる公演を拝見するにあたって、SNS仲間から「佐野さんの指の演技がスゴイ!」との観劇アドバイスを受けて劇場にむかいました。

丁寧で美しく、繊細で妖しい動きはなかなか言葉にして伝えられないと思っていたら、公式動画に贅沢な編集がありました。この作品を知り尽くしてファントムを演じていらっしゃる佐野さんだからこそ、指先1つで舞台上で起こる不可解な出来事を自在に操るような説得力。陽の存在・ラウルに対して、陰の存在ファントム。内に秘められたファントムの感情は所作の端々から観る者の想像力をかきたててくださいます。

とりわけ日本初演から数えて30周年記念公演も京都まで飛んでいって佐野さんのファントムを拝見できたことを今でも大変光栄に思っています。

2017年秋、広島公演イベントでの佐野さんのお話が印象的でした。お題は「色」について登壇されたキャスト方々がお話くださいました。マスカレード・仮面舞踏会の華やかなシーンにレッドデス(変装したファントム)が赤い衣装で乱入する場面、「劇場の外で紅葉する桜の葉のような赤」とおっしゃっていたのが印象に残っています。こんな感性をもって日々の生活を送れたら、何気ない瞬間もきっと特別なものに。 

このイベント司会はブケー役の見付祐一さん。とってもカラフルで個性的なセーターをお召しだったので、「色」の話題のときに見付さんは一体何色が好きなんだろうということで場内をわかせてくれました。 

見付さんと言えば、マスカレードのシーンで職人芸ともいえる技を魅せてくださいます。ブケー役のときは最上段のマントの男、アンサンブル枠のときはお猿さんの後ろから太鼓を叩きながら下手側から登場します。そのスティック捌きの見事なこと!SNS仲間から、もう1つ新しいアンサンブル枠にもデビューされたと聞いたような。長身でいらっしゃるので舞台上すぐわかります。この作品に欠かせない大好きな役者さんです。是非ご注目ください。

マスカレードの場面の見どころも書いていたら終わりそうにありません。

動画1:26~ レッドデスの赤をご覧頂きながら本日はここまで。観劇の記憶にお付き合いくださいましてありがとうございました。


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