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12月の読了

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少し早いですが12月分の読了記録。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代

Audibleで聴きました。

洋書の自己啓発系特有の、具体的な人物の事例がたくさん出てくる。
NBAのスカウトの話を例えにしていたりとなかなか自分の生活と結びつかない部分もあるけど(笑)、部分部分で大きく納得することもあって、総合的には読んで(聴いて)良かった。

「自分がしてあげていること」と「相手にしてもらっていること」をパーセンテージで比較したとき、多くの人が「自分がしてあげていること」の方が多いと見積もるらしい。おそらく、真実はどうであれ自分が搾取ばかりしているテイカーだと認識している人は少ないと思う。(思いたくないというバイアスもありそう)

ここで書いてあるようなギバーになるためには結局、「自分が影響を及ぼす範囲の人々みんなのことを好きである(少なくとも嫌いではない)」ことが前提条件なんだと思った。
自分への見返りよりも周囲の利益や喜びを優先に考えて行動するなんて、相手のことを好きでないと無理だし。少なくとも私は。
なので、いつでもどこでも人生まるごとギバーな聖人を目指すのではなく、自分の生活圏内や家族、友人や大切な人がいるコミュニティにおいてギバーでいようと心がける範囲で十分なのかなと。
「自分の言動や行動の配慮が周囲に大きく影響を与える」と思うこと自体、なんか傲慢に思えてしまう自分もいた。

ギバーを目指すハードルがとんでもなく高く思えてしまうけど、原著の翻訳をされた楠木建さんのインタビュー記事がとてもわかりやすかった。

ギバーの場合、これとは順番が逆になります。まずギブしようとする。相手のことを考えて、相手に与えるという行動が先行します。その時点では、頭のなかに目的としてのテイクがないというのがギバーのポイントです。にもかかわらず、ギブが自分に返ってくる、つまりテイクすることもあり得る。結果的にギブ・アンド・テイクになる。

Executive Foresight Online より引用

直接その人からのテイクを期待せず、「いつか何らかの形で返ってくるかもな、そうだといいな」なんて思いながら目の前の大切な人へギブを続けるくらいが、自己犠牲のギブを続けて自分がすり減らないための心構えなのかもしれない。


プロジェクト・ヘイル・メアリー(上)

「三体の次に読むならこれ!」というコピーにしっかり心を掴まれ、高評価の多さも相まって購入した本。

・・・いやあ面白すぎる!!

私が好きな「書いてあることを理解しながら読みすすめるには読者にも多少の知識が必要」系のSF(なにそれ笑)。
大学で原子反応や物理学に触れて、独学で天文学を楽しむ私にとってはこのしっかり知識に裏付けされた物語の展開は大好きなパターンでした。

地球の危機だし、宇宙船の中で孤独だし、なかなか状況はシリアスなのだけど主人公の冷静に事を運んでいくさまやさらさらと溢れ出る知識や考え方に関心しながら読む手が止まらなかった。

(対生成は懐かしすぎたな・・・)

光はおもしろい。波長で、なにかと反応できるかできないかが決まる。波長より小さいものはその光子にとっては機能的には存在しないことになる。だから電子レンジの窓には網目があるのだ。網目の隙間は小さすぎてマイクロ波は通れない。だが可視光の波長はもっとずっと短いから自由に通り抜けることができる。だから、なかの食品が調理させるのをのぞきこんでいても、あなたの顔は溶けないのである。

コンスタントに1.5Gで加速しているとこうなる。あるいは“減速”といってもいい。物理学的にはおなじことなのだから。

知的好奇心がくすぐられまくるので、文系の方にもぜひ読んでほしいし、気になった単語や理論を調べながら読み進めるとなお面白いと思います。

あととにかく日本語訳が秀逸。「逆に原作の英文はどう書いてあるの?!」と気になるくらい、絶妙でポップな表現が散りばめられていて主人公や”その他登場人物”への親近感がわくし、かわいいし、クスッと笑える部分が多い。

えっちらおっちらエアロックを抜ける(ゼロGでえっちらおっちら動くことなんてできるのか?ああ、できる)。

「えっちらおっちら」なんて、最後にこの表現見聞きしたのいつだろう笑 だけどこの表現だからこそ情景がありありと想像できませんか?そのあとの( )内もわざわざ言ってるあたりも好き。

「うわ・・・遂に!?」という盛り上がりで上巻が終わったので、下巻も楽しみです。この世界観が終わるのが惜しくてとっておきたい気持ちもあるけど、気になりすぎるのですぐ読む。                                                                                                                                                                                                                                 

ちなみに、これを読むためのBGMを探していて、Instagramで「ダフト・パンクのような浮遊ピコピコ系の音楽でおすすめ教えて下さい!」と突拍子もない質問をストーリーで流したら「ケミカル・ブラザーズ」を教えてもらいました。これがまあぴったりで没入感が最高。


年末年始キャンペーンで、kindle Unlimitedが初回2ヶ月99円で読めます。
「書店なら手は伸びないけど、読み放題なら読んでみるかあ」みたいな本が意外にハマったりします。
ドラマ化された「祈りのカルテ」も原作は読み放題対象。

あと今年はAudibleデビューして、大変お世話になりました。
生産性のない生活をすることが本当に苦手なので、歩きながらや掃除しながらで読書できるのが本当に良かった。
集中して読むのも好きだけど、案外ランニングしながら(体動かしながら)聞く方が、頭に入ってくるパターンもあるなという新発見もあり。

にしても、ラインナップすごいよね・・・


今年1年、読了記録を読んでくださった方ありがとうございました。
(マガジンをフォローしていただく方も増えて嬉しすぎる)
これを書くというタスクがあるから、アウトプット前提で気になるフレーズをちゃんと記録したり考えたことを頭の中でまとめながら読み進めたりと、より密度の濃い読書が出来ているなと感じます。
どなたかにとっての、いい本との出会いの一助になっていれば嬉しいです。

2023年も続けていきますので、どうぞよろしくお願いします!


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