見出し画像

恥ずかしいからなのか

 「この問題わかるひとー!」 「はい!はーい!はぁーい!はい!」

 小学校の低学年のクラスでよくある光景だ。

 低学年の時は率先して手をあげていた。手を挙げない子の方が少ないくらいに。

 しかし高学年になるにつれ、頭の良し悪しやその子の性格とかによって挙手するひとは自然と減っていく。

 中学校、高校ではもはや挙手などせず、日付に関連する出席番号の人があてられるシステムが導入される。

 挙手だけではない。低学年の頃は「いたぁだぁきまぁすっ!」と全力で言っていたそれが次第に給食当番に「手を合わせましょう」と言われたら「あーす」で終わらす。

 年齢を重ねるにつれて横断歩道を渡る時の挙手、ご飯を食べる時のいただきます、ごちそうさまなどが日常生活から消える。いただきます、ごちそうさまの習慣は大人になってから復活する場合もある。

 恥ずかしいからしないだけなのだろうか。みんなしないからしないのだろうか。みんなはなぜしなくなるのだろうか。恥ずかしいからなのか。

 道を渡る時、手は挙げないが渡らせてくれるために止まってくれた車にお辞儀するようにしている。そうやって手を挙げて渡ることの恥ずかしい部分を消して自分が生きやすいように変化させている。

 大人になって大事な習慣を忘れたり、やらなくなるのはその人の勝手だけど、せめていつかの自分の子やこれからの子には低学年の時くらいは全力でやってほしいと願うばかりである。

チキン南蛮定食をたべます。