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栄養士の仕事②

 まずはこの記事の一個前の「栄養士の仕事①」を読んでからこちらをご覧ください。


・転職し、直営栄養士へ

 栄養士の仕事①でも話したが、私は管理栄養士養成課程の四年制大学を卒業後、
給食委託会社へと就職し、栄養士として仕事を始めた。しかし、受託先の施設栄養士との関係や日々の仕事の飽き、さらに委託会社本社からの謎の圧力により、私は入職約8ヶ月で退職した。

 それから、食品関係の仕事でジャンルを絞って転職先を探し、いくつか面接などもしたが、結局栄養士としてまた新拠点で頑張ってみることにした。

 転職先は、給食運営が直営の病院だった。私がそこに入る3年前くらいは委託だったらしいが、色々な事情で契約を辞め、直営へとシフトしたらしい。

 直営では、委託先の臨床的な業務を行う管理栄養士も給食を管理する栄養士も全て、同じ一つのチーム?グループ?として、日々業務に取り組んでいる。委託よりかは、管理栄養士と栄養士間の壁は薄くなっているように感じる。

 これは余談だが、委託、直営関係なく、大抵の管理栄養士は栄養士のことを見下していて、半ば奴隷のように扱われることはザラである。そんな理不尽に耐えうる精神力や忍耐力がないと栄養士は務まらないと思う。

 直営では基本的に雑務もこみこみで給食に関わるほぼ全てのことを栄養士が請け負っている。よって、委託と比べて業務内容や仕事量ははるかに増えることになった。それは栄養士全体の業務もそうだし、個人に割り振られている仕事も増えている。

 こういうと、委託の方が楽そうでいいじゃんと思いがちだが、給食委託会社のほぼ9割はブラックである。残業は当たり前、受託施設にはヘコヘコで受託施設のご要望であれば従業員一人を消すなんてことを平気でやってくる。
なので、委託で栄養士をやろうなんて思わないほうがいい。委託は、食材を時間内に早く盛り付けることくらいしか身に付かない。

 一方、直営は任される仕事量が多いため、体力的にしんどいと思うことはあるが充実感や達成感は得られるし、栄養士の醍醐味の献立作成などそれに付随する業務は嫌でも任されるので勝手にできるようになっている。
あとは、栄養士の同僚とのコミュニケーションがしっかり取れて、逐一連絡しあえる関係を築くのも直営で生き抜くために重要な項目である。


・まとめ

 非常にざっくりとした栄養士の仕事内容を2編に分け、公開してみた。
 大体「栄養士してます。」というとすごいねと言ってくれる人が多いが、他職種の人たちが想像する栄養士と実際の栄養士なんてかけ離れている。ジャンクフードだって普通に食べるし、タバコだって吸う。自分の健康なんて度外視で、気にするのは健康診断の前夜くらいである。

 本当に食べることが好きとか、ご飯を作ることが好きなどの根本の興味があることはもちろんだが、十人十色な性格の厨房員や調理員を率いて、日々給食を提供することができる統率力とかコミュニケーション能力は必須だ。


・おまけ

 病院、幼稚園、保健所、企業の食堂意外といろんなところに栄養士は存在している。健康に寄り添った食事を提供するということを尽くしてはいるが、どうも世間や、国全体として軽視される職業である。軽視の具合は給料にもろに反映されている。人はみんな何かしらのご飯を食べることで毎日生きているのにその食事に関わる仕事を軽視し、少ない給料で働かせるのは侮辱とも捉えられてしまう。安心安全な食事を提供するためにはまずそこで働く栄養士や厨房員などが豊かでないとつとまらないと私は思う。


 

チキン南蛮定食をたべます。