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人付き合いで悩む学生のみなさんへ

初めまして、vegielabです。普段はvegan情報を発信していますが、仕事柄、さまざまな悩みを抱える学生を相手にしているため、今回は悩みの多い、「人間関係」について書こうと思います。記事が少しでも気になった学生のみなさん、ぜひ読んでいってください。


「すべての悩みは人間関係に起因する」(アルフレッド・アドラー『嫌われる勇気』、ダイヤモンド社、2013)

まず初めに伝えたいのは、「人間関係で悩まない人はいない」ということ。ひとむかし前、日本でも話題になった心理学者アドラーも、「すべての悩みは人間関係に起因する」と言っているほど。大人でさえも多くの人が人間関係で悩んでいて、会社を辞める人だっている。en Japanが企業に勤める9,000人ほどに行った調査によると、転職者の4人に1人は職場での人間関係が転職の理由なんだって。そう、大人だって人付き合いで悩んでいる

この前提を踏まえて一番伝えたいのは、「ひとりで過ごす時間を大切にしてほしい」ということ。特にいまの子はひとりになる時間が絶対的に少ない。四六時中、誰かとつながっていることが普通になってる。学校では常に友達と一緒にいるし、家に帰っても誰かしらとつながってる子が多いと思う。LINEで遅くまでやりとりをしたり、Instagramで友達の近況を確認したりするのに忙しい。食事中にLINEのやりとりをする人だっている。

一部の人からは「友達とつながっていて何が悪い!?」と怒られそうだけど、つながってることを否定してるわけじゃなくて、「つながりに依存している人がいる」ことが問題だなーと思うわけ。

本当にその人と一緒にいて楽しければ問題ないし、これからも一緒にいればいい。実際にそう言う自分も、学生時代にはそういう奴がいたし、今でもつながっている。

ただ問題なのは、まわりからの視線を必要以上に気にして「ひとりじゃない」ことの証明のためだけに、無理にだれかと一緒にいる状態。これはまずい。だってそこには、自分の体裁だけを守る仲間、友人関係があるから。加えてそれは、「他者からの視点でしか自分を見ることができていない」状態で、もっと悪く言えば、「他者の人生を生きている」状態だと思う。

「村八分」って言葉、学校で習ったと思うけれど、日本は長いあいだ村社会で、村人同士が結束しなければそれぞれが生きて行けない、そんな状況だった。だから、みんなと一緒に行動できない人間は村八分になり、村落共同体のなかでは、やっていけなくなる。

「村八分という日本の習慣が『組織』に根付いている」(永田和宏『知の体力』、新潮新書、2018)

このDNAが色濃く残っているのかもしれない。そういえば、最近読んだ『すべてがFになる』(講談社文庫)のなかで、とある登場人物が面白いこと言ってたので引用しますね。

「日本では、一緒に遊ぶとき、混ぜてくれって言いますよね。混ぜるという動詞は、英語ではミックスです。これはもともと液体を一緒にするときの言葉です。外国、特に欧米では、人間は、仲間に入れてほしいとき、ジョインするんです。(中略)日本人って、個人がリキッドなのです。流動的で、渾然一体になりたいという欲求を社会本能的に持っている。」(森博嗣『すべてがFになる』講談社文庫、1998、p.430)

なるほど、わかりやすい。日本人の特性を言語間比較で説明するとは。友達関係のあり方は、どうも日本特有の文化が少なからず影響しているみたい。

ひとりでいることが偏見、そして差別につながりやすい。この流れが生まれるのは、「ひとりでいること」の大切さがわかっていない人が多いからだと思う。ひとりの時間を大切にすることができる人が増えれば、ひとりでいる人を責めたり、変な目で見たりする人が減ると思う。

「ひとりでいたっていい」

ひとりの時間を通して自分の本当の気持ちに気づくことができるかもしれないし、何より「自分の人生を生きる」ことができる。

人の目を過剰に気にせず、お互いを尊重し合い、高め合える仲間、そんな雰囲気が学生の中にどんどん広がればいいなあと思っています。

vegielab🍃



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