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アメリカで出会った100の光景 No.13<大自然の絶景>真っ青なモノレイクに浮かぶ不思議な楼閣


早朝だというのに、太陽はもうやる気満々。ギラギラしていて、サングラスと日焼け止めを車に置いてきたことが早くも悔やまれる。
道ばたのブッシュのかわいい小鳥のお出迎えを受け、まぶしさに目を細めながら湖に向かう。


光を受けて輝く真っ青な湖が目に入ってきた。空も湖面もまぶしい青さ。
しかし、もっと目を引くのはいくつものごつごつした大きな砂の城だ。
湖岸にも湖の中にも、大きなお城がわんさと建っている。


のんびりした不思議の世界に近づこうと水辺に向かう。
一歩踏み出すごとに、足元からさわさわという音がする。さわさわ・・・。
よくよく目をこらせば、小さな小さなハエが一斉に飛び立つ音だった。奴らは飛び立ってもすぐ元の場所に戻るので、歩くたびにさわさわいうのだ。
そして、それは鳥のエサになっているらしい。とにかくおびただしい量だ。あまりじっと見ると気持ちが悪くなりそうなので、湖に視線を集中させる。

湖では気持ちよさそうに鳥が飛び、ときには岩の上で羽を休め、水にゆったりと浮かんでいる。こちらもエサに不自由しないせいか、たくさんいる。

城の近くまで寄ってみる。ゴツゴツしたこの城は、砂ではなく湖の成分のカルシウムと炭酸が元になってできた石灰石の柱だそう。ここは非常に塩分濃度の高い塩湖なのだった。
この塩の白い城は、公園の大きな滑り台くらいの大きさのものから、気づかずに蹴つまずきそうなものまで様々。本当に自然の作る造形って不思議。


水辺はちょっと泡が溜まってる部分もあったりして、遠目で見ていたよりもきれいではなかった。

しかし、塩湖といわれたら、味を確認してみたいではないか。原始的と言われようとも自分の舌で確かめたいではないか。
ハエと鳥のフンの恐怖と、好奇心とを天秤にかけ続けた結果ーーー。


確かにここは塩湖だった。

ちなみに、「モノ」とはネイティブアメリカンの言葉で”ハエ”なんだって。
おえ~。

モノレイク(カリフォルニア州)
Mono Lake


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