すみっこでぼんやり暮らす

気持ちに張りがない。

いつもより散らかった部屋を見て、そう思う。
いつもの私だったら、そんなこと考える前に手が動いているはずなのだ。それぞれ元あった場所に、ただ戻すだけの作業は本来そんなに大変ではない。

それなのに今はほんの数センチ動かすのでさえも億劫で、あれもこれも後からやろうと思ってそのままにしている。時々あるけど、ここまで動けないのも珍しい。

でも、落ち込んでいるとか沈んでるとかではない。
朝いつも通りに起きて、ご飯を食べる。化粧もするし、仕事にもいく。日常は日常として過ごせるのだ。
ただ、プラスアルファが全くできない。

ご飯はレンジを使うだけのものしか今は作る気がしない。少しエネルギーを使えば出来るかもしれないけれど、片付ける所まで辿り着けない気がする。
洗濯物を干すことはできても畳む気力がない。
冷蔵庫の中にある食材の期限が気になりながらも、手をつけらない。

そんな風に今、暮らしを整える作業ができないのだ。

ずっと次の予定のために動いていたからだろうか。
それともゆっくりする時間が取れなくて、疲れているんだろうか。
どちらもかもしれないし、違うかもしれない。正直自分でもよく分からない。
とにかく数日前まで当たり前にできていたことが、できない。お花のお世話だってさぼり気味だった。

このムラこそが、私の生き辛さだなと思う。
自覚はできても予防は難しい。
どうしようもない期間があって、また元気になるのを静かに待つことしかできない。無力だけど、それが一番効くことをよく知っている。

ありがたいことに何か特別なことをしなくても、少しずつ勝手に回復する。いつもそうなのだ。
だから待っているだけでいい。

ここで無理に動こうとすると、空回りしてしまう。
こういう時の私は本当に何もしない。ひたすらぼんやり過ごして、時が過ぎるのを待つだけ。お腹が空いたら簡単なものを食べるし、眠くなったら寝る。それくらいしかしない。

こういうとき、すみっこで丸くなっていると落ち着く。狭い場所にいると身も心もホッとする。
なんだか守られているような気がするのかもしれない。

♦︎

明らかに炭水化物よりの食事になっているのは、この際気にしないことにしようと思う。元気になったら、また美味しい物を作って食べればいい。
元気になったら花瓶を洗って、茎も少し切ってあげようと思う。

全て、元気になったら。
今はまだ無理なので、元気になった私に全て託すことにしてぼんやりしていようと思う。