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台風のような人

ちょっと変わった友人の話を。

人を惹きつける不思議な魅力を持った友人がいる。
台風のような人で、勢いもすごいがいつもいつの間にか消えてしまう。
『細く長く』がこの世で最も似合わない人だ。

今回も半年近く音信不通かつ生死すら不明だったが、どうやら生きているらしい。
生きているだけでなく、思ったよりも元気でいるらしい。

よかった。

ずっと心配していたので本当に安心した。
そして同時にモヤモヤした気持ちも湧いてきた。
どうして何も言わずに音信不通になってしまうのか、友人としてその態度は如何なものか。

言いたいことは沢山あるけれど、伝える術はない。
それに私の怒りなんて意に解さないだろう。
彼はそんな人だ。

でもこうやって相手に怒れるのも、生きているからだし元気そうだとわかったからだろうなと思う。
だから怒る気持ちになるくらい、元気でいてくれてやっぱりよかった。
それに尽きる。

大人になると友人を作るのは難しい。
職場での付き合いは友人とは少し違うし、学生時代のように誰かと自然に出会う機会も圧倒的に減った。

だからこそ、彼を含む大人になってからの友人は私にとって大切で特別なのだ。出来ればこの先もずっと繋がっていたい。
…たとえそれが直接会えないような距離であっても、本名すら知らないとしても。


本音を言うならもう消えないで欲しい。
でも台風に消えるなというのは無理があるのかもしれないなとも思う。

そうやって離れそうで離れない、切れそうで切れない縁を大切にしていきたい。


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