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頑張るのはもうやめた

色々なことが重なった。
暑くて具合が悪くなったのがきっかけで、他にも色々あった。
色々って便利な言葉で、一つずつを説明するのは面倒だし大したことないと思われそうな時にはる、予防線としても使える。

ぷつん、と糸が切れたような気がして、その瞬間何もかもどうでも良くなった。それまで一生懸命考えていたことや、よかれと思っていた気持ちも全て消えた。一度そう思ってしまうと、もうどうにも頑張れなかった。
気持ちを立て直す術もわからなかった。

無理して早起きを続けていたことで、気づけばエナジードリンクに頼り切りの生活になっていた。恋人から、毎日そんなの飲んでいたらダメだよ、倒れるよと言われても、そのときはピンと来ていなかった。

今考えればおかしな生活をしていたなと思う。
娯楽を楽しむ気もなれず、食事もめちゃくちゃだった。
毎朝起きた瞬間、今日はどこで何をすればいいんだろうと頭が真っ白になる日々を過ごしていた。

♦︎

そういえば同業の友人がダウンしたらしい。
らしいというのは風の噂で聞いただけなので、本当のところはよくわからない。でも、誰がみても頑張りすぎだとわかるくらい、常に気を張って頑張っているような人だったから、無理もないと思った。

そして次は自分かもしれない、という気持ちが脳裏をよぎった。
これも理由の一つだった。

どうして困っていない人たちのために、犠牲にならないといけないんだろう。そう思うと、自分のしていることに意味があるのかどうか、わからなくなった。人柱にされているだけじゃないか、と怒りすらわいた。

もう感情に蓋をして、時間を作り出して駆けずり回るような生活をしたくない。本当は家族の誰とも会いたくないし、連絡もしたくなかったけれど、人として最低限、断りの連絡をいれるくらいはした。

嫌味の一つくらい言ってもよかったのかもしれないが、何も言わなかった。
もう何か言う元気も残っていなかった。
味のしないご飯を流し込んで、ぼうっとするのがやっとだった。

がっかりされたかもしれないが、じきに忘れてくれるだろう。
本人たちがなんとかなると言うのなら、きっとなんとかなるはずだ。
これ以上私が出る幕はないし、その分仕事や資格の勉強など、自分のために時間を使いたい。嫌われ役になって、本来その役割を果たすはずだった人に、ごめんねと謝られるのも馬鹿みたいだと思った。

そんな人と血が繋がっている、という事実も本当は否定したくなる。
でももう反面教師にして、どうにか耐えるというエネルギーはない。

家族からの慰めの言葉も、共感もいらない。
何もかもがどうでもいい。
どこか私の知らない場所で、それなりにやってくれていればそれでいい。

これ以上、私は頑張らない。


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