挑戦する文化で「つくば」から世界へ誇れるスタートアップエコシステムを。〜12/17開催TSUKUBA CONNÉCT#31〜
はじめに
日本でも有数の研究機関が集結するまちとして注目を集めるつくば市。そんなつくば市で毎月第1・第3金曜日に開催されるTSUKUBA CONNÉCTはVenture Café Tokyoが運営するイノベーション促進・交流プログラムです。12月17日に開催されるTSUKUBA CONNÉCT#31では、つくば市のイノベーターが一同に集まり、大学・研究機関、インキュベーター、自治体のスタートアップ創出の取組みを紹介。さらに、TSUKUBA STARTUP WEEK 2021として、12月15日(水)~12月19日(日)の間、つくばのスタートアップ・エコシステムを感じられる「つくばスタートアップツアー」をはじめ、つくばの未来社会を共に創造してゆく機会が企画されています。このnoteでは、市内外の様々なセクターを巻き込みながら、最前線でつくばを盛り上げるYuumiさんとKyoheiさんのお二人に、つくばのリアルを語っていただきました。
跡部 悠未氏(以下、Yuumi)
Venture Café Tokyo TSUKUBA CONNÉCT Program Manager
産業技術総合研究所 スタートアップコーディネーター
堀下 恭平氏(以下、Kyohei)
Venture Café Tokyo TSUKUBA CONNÉCT Operations Manager
株式会社しびっくぱわー 代表取締役社長
TSUKUBA CONNÉCTを牽引するお二人ですが、Venture Café Tokyoとして関わる以前のつくば市の印象はどのようなものでしたか?
Kyohei:つくばには、スタートアップ・エコシステムとして国立と民間を合わせて150の研究所があり、20,000人もの研究者と9,000人もの博士と国が戦後2番目に作った計画都市という類い稀な特徴がありながらも、研究発のスタートアップという観点では、正直、成果が今ひとつ出し切れていないという重い宿命を背負っている街だなと思っていました。一方で、実際につくば市に暮らす市民としては、住民の流動性が高く、新しいヒト・モノ・コトに対する嫌悪感が少なく、チャレンジしやすい街であり、そのアンバランスさも含めて可能性と面白みを感じていました。Venture Café Tokyoは、そんな宿命と風土をうまく織り交ぜて、これからスタートアップを盛り上げていくんだという機運が高まっているタイミングで共に立ち上がってきたと思っています。
Yuumi:Venture Café Tokyoが何かをしたということではなく、つくば市のスタートアップ・エコシステムの盛り上がりとVenture Café Tokyoの進出のタイミングが合っていたんだと思いますね。TSUKUBA CONNÉCTに関しては、1年ほど前に開始しました。各研究機関が個々で着実に積み上げてきたものを、TSUKUBA CONNÉCTを介することで、横のつながりが更に強化されてきたように感じています。私自身、産総研でスタートアップ支援をしていましたが、機関対機関というオフィシャルでしか繋がりにくかった組織同士が、TSUKUBA CONNÉCTという機関を媒介することで、様々な部分で動きやすくなったと思います。
Venture Café Tokyoは"Connecting innovators to make things happen"を目指していますが、お二人にとって印象深いHAPPEN THINGSについて教えてください。
Kyohei:印象的だったのは、2019年のTsukuba Startup Nightに参加してくれた女子大生が、2021年のTSUKUBA CONNÉCTからはアンバサダーとして共に活動してくれていることです。自分にとってHAPPEN THINGSでしたね。当時は「何かやりたい」という形になりきらない想いを持った大学生でしたが、彼女がクリエイターとしてのスキルを付けて、再び仲間として関わってくれていることは印象的です。
Yumi:私は、つくばの研究機関同士や東京のコンソーシアムが関わることで、マクロな目線で様々なセクターのつながりを生み出せた瞬間にHAPPEN THINGSを感じました。TSUKUBA CONNÉCTだけでなく、関わってくれている多くの方々と共に、今やっていることが3年後や5年後のつくばの形として具現化されていくのではないかと感じます。
Venture Café Tokyoとの出会い
現在は中心でご活躍されるお二人ですが、Venture Café Tokyoに関わるようになったきっかけについて教えてください。
Kyohei:Yuumiに関しては、Venture Café TokyoプログラムディレクターのRyuにクレームを言ったところが出会いですよね(笑)
Yuumi:そうそう(笑)2018年に開かれた、まだ立ち上がったばかりのVenture Café Tokyo主催のTsukuba Global Nightに400人もの人が参加していて、あまりの行列に並んでいた私が、スタッフにクレームを言ったの。それがRyu(笑)正式には、その後、産総研のスタートアップアドバイザーとしてアクセラレーションプログラムのメンターとして呼ばれていたRyuと出会った時に、そのメンタリングに感銘を受けた事がきっかけで、Venture Café Tokyoにも関わるようになりました。当時は、産総研の人として協力するくらいと比較的軽やかな気持ちで返事をしましたが、気がつけば中心にいましたね(笑)
Kyohei:僕はもともとVenture Café Tokyoが日本に来るタイミングで、つくば市に来訪したVenture Café Tokyoをお招きしたことがきっかけで、Yuumiが参加したTsukuba Global Nightで実行委員長を任していただいていました。そんな中で、Ryu含め、非常にアグレッシブにスタートアップ・エコシステムを作ろうぜ、という熱い想いを持って活動している若手がいることにとても価値を感じましたし、自分自身もその渦中にいて楽しかったんです。
Venture Café Tokyoに参画した理由ですか、、、気が付いたらジョインしていましたね(笑)
ジョインするまでの経緯は偶然のような要素も多い気がしますが、その後も継続してVenture Café Tokyoを牽引している理由はどのようなところにあるのでしょうか?
Kyohei:気が付いたらいたけど、最初から本気でやっていました。加えて、Yuumiと組めたことも非常に面白いなと思っています。お互いに背中を預けられている感覚もあります。僕が苦手なものはYuumiがやってくれていますし、Yuumiが苦手なものは僕がやっているなと思います。
Yuumi:本当にそんな関係性で、面白いなと思っています(笑)
Kyohei:お互いの存在は唯一無二な気もしています。スタートアップ・エコシステムという観点からも、つくばのツートップである「研究機関」と「大学」の中で、研究機関に対して強みを持つYuumiと、大学生やそのコミュニティに強みを持つ僕という対比のような関係性もちょうど重なり合っています。
Yuumi:私が強みを持つ研究機関という硬い箱と、Kyoheiが作り上げてきた「コミュニティ」という柔らかい要素がいい塩梅で混ざり合っている気はします。気がつけば、Venture Café TokyoやTSUKUBA CONNÉCTの中心にいましたが、良い意味で、今やっていることも目新しいものではなく、あくまで今までお互いがやってきたことの延長線であり、新たにVenture Café TokyoやTSUKUBA CONNÉCTという熱量を感じられる面白い”フィールド”がぱんっと開けたような感覚です。
TSUKUBA CONNÉCTが創るサードプレイスとは
研究機関というしっかりとした箱とコミュニティという形のない要素、お二人だからこそその両輪が回っていると思いますが、今後のTSUKUBA CONNÉCTの目指す場所は?
Kyohei:僕個人としては、もっと気軽にみんなが集まれる場所を作りたいと思っています。これまでも、気軽に集まれる場所を作ってきたつもりでいますが、研究者の溜まり場を作りたいです。ただ、研究者だけでなく大学生や、はたまたどこにもカテゴライズされないような人々が、スタートアップという切り口をうまく活用して、入り混じるようなサードプレイスを目指しています。その結果、スタートアップが生まれれば、TSUKUBA CONNÉCTにとって分かりやすく成果だと思いますが、決してそれだけに留まらず、純粋にこの場所でコミュニケーションをとることが楽しく、集まる人にとって人生が鮮やかになる空間や瞬間だといいと思っています。
Yuumi:私が常々言ってきたのは、ラボのような存在にしたいということです。”Failure is good”とよく言いますが、ほとんどの人がやはり失敗はしたくないと思うんです。しかし、実験においては、どんどん失敗します。むしろ、失敗とすら思っていない。最適な組み合わせを見つけるために続けてやっているだけで、試して結果が出ないことを失敗とは捉えていない。そのマインドで多くの人が行動を取れるような空間になればいいなと思います。挑戦や失敗なんて大袈裟なものでなく、ただ純粋にやり続けることが楽しい。ゲームみたいに倒されてもなお、楽しいと思えてしまう。そんなマインドをリアルな日常の中にも持てる場所にしたいなと思いますね。
TSUKUBA CONNÉCT#31への期待
次回、12/17開催のTSUKUBA CONNÉCT#31はどのような場になることを期待していますか?
Kyohei:なんか、現場がぐちゃぐちゃしてて欲しいですね!
Yuumi:わかる!まさにそれ。偉いおじさんから、研究者から、大学生までとにかく色んな人が入り混じって、騒々しいような空間ができていたらいいなと思っています。あえて狙いすまさず、あえて目的を持ちすぎず、でも、仕掛けはあちこちに仕掛けている、そんな空間です。
Kyohei:縛りすぎず、むしろ自由な方がクリエイティビティが生まれると思っています。全く知らないことへの恐怖よりも、そこへのワクワク感が優ってしまう僕たちなので、そんな気持ちを体現したいです。来てくれた人たちに最大の価値を届ける仕掛けをしながら、参加者がお互いに価値を持ち込むような時間を期待しています。
Yuumi:いい意味で予定調和でない、多様性に溢れた空間の方が楽しいと思っており、今回の31回目はそんな時間になる予定なので、ぜひ楽しみにして下さい。
おわりに
今回お話ししていただいたつくば市のスタートアップエコシステムの魅力を凝縮した「TSUKUBA CONNÉCT#31」が開催されるのは12/17(金)です。是非こちらからお気軽にご参加ください。皆様のご参加をお待ちしています!
お知らせ
TSUKUBA CONNÉCTでは、毎月第1及び第3金曜日に行われる、学びの機会(パネルセッション、レクチャー、ワークショップなど)と繋がりの機会(ネットワーキング、展示テーブル)の組み合わせからなるイノベーション促進・交流プログラムです。また、起業家や何か新たなチャレンジを模索する人、研究者、投資家、学生等、イノベーションに少しでも興味があれば「誰でも」「無料で」参加可能な点も特徴です。Venture Caféは、イノベーションは誰もが生み出すことができる、そして、それは個々人のちょっとした繋がりの中から生まれてくるものだと強く信じています。ここから「つくば」の未来を共に変えましょう。