フォローしませんか?
シェア
wawabubu
2021年9月7日 16:22
みんぱく(国立民族学博物館)の帰り、山田駅へ向かう道すがら、おれたちは言葉少なだった。「暑いなぁ」口を開けば、そんな言葉しか出ない。大阪モノレールが頭の上を通過する。「ヒロ君、あんたの部屋に行ってもいいよ」「それは…どういうことや?」「言わすの?あたしに」上目遣いに、尚子が訊く。二人っきりになってもいいと、彼女がサインを出しているのだ。「わ、わかった。汚いとこやけど来て」「それ
2021年9月7日 16:18
国立民族学博物館(愛称「みんぱく」)の中は、外とは打って変わって涼しかった。入ったところには、大きな自動演奏オルガンがひときわ目を引く。「なぁに、これ?」「車輪がついているから、馬かなんかで引いてくるんだろ」「自動オルガンかぁ」演奏時間が決まっていて、その時間になると動かしてくれるらしいことが横の案内板に記されていた。おれは惹きつけられたように、目の前の階段を上がると、正面にはガラス張