シェア
wawabubu
2021年9月12日 17:40
「小糠(こぬか)雨降る御堂筋・・・」雨を見てると、この歌詞が頭に浮かぶ。あたしは、読みかけの本を置いた。アップダイクの「走れうさぎ」の主人公、ハリーの逃げるばかりの人生・・・そういや、あたしも逃げてばかり。電話が鳴った。出ると、「きんちゃん」こと金明恵だった。「もしもし、なおぼん?」「どうしたん、突然、どっか行ってしまうから・・・」「ごめんね。あたしはどうもないんよ。受信機
2021年9月12日 17:34
夜はパブになる組事務所に二人の男がテーブルに向かい合って座っていた。「おい、李(り)」「へえ、大将」大将と呼ばれた中年の男は指定暴力団「琴平会」の会頭の蒲生譲二だった。「お前、きんじっせい(金日成)の手先て、ほんまけ?」※金正恩の祖父が金日成「おれは、そんなもんやないです。ただ向こうの工作員に連れてこられて・・・」一方の青年は在日朝鮮人の李鐘吉(イ・ジョンキル)といった。「手先や