見出し画像

英国の元国防長官が10億ポンドのディフェンステックファンドを推進 ー ESGルールが欧州のディフェンステックスタートアップの資金調達を妨げている、とベン・ウォレス氏

ウクライナの戦争、ガザの戦争など、現在On-goingの戦争をきっかけに欧州ではディフェンステックへのVCの出資意欲が高まっています。

米Palantirもそうですが、自国政府が初期ユーザーになることで、技術的な保証と、予算に関連した確実な事業計画が描けることがStartupにとってはメリットであり、一方で、ロビーイング活動などSales Cycleが長いこと(ただ、一度取れると大型契約になりますが)などのデメリットもあり、なかなか一般的な起業家が目指すにはハードルが高い分野であることから、狙える起業家にとってはある意味Unfair Advantageがある分野となっています。

一方で、欧州の厳しいESGの規則がディフェンステックへ資金が向かうことを足止めしているという指摘もあり、どのようにこれを乗り越えて行くのかというのは今後注視していきたいと思います。


英国の元国防長官ベン・ウォレスは、欧州には10億ポンドのディフェンステックファンドが必要だと述べ、この分野における欧州の技術革新は、より多くの財政支援がなければ「大西洋を越えて消滅」しかねないと警告している。

水曜日に行われたSiftedとのインタビューで、このベテランの保守党政治家は、「ヨーロッパとイギリスの企業が負債資金を利用できるようにする必要性について、多くの人々と話してきた」と語った。

「私は、欧州安全保障防衛基金を設立する必要性を認識した」と言い、もしそのようなイニシアチブを主導するのであれば、金融機関と提携する必要があると付け加えた。まだ契約は結んでいないと強調した。

10億ユーロのNATO・イノベーション・ファンドなどの新たな構想のおかげもあり、また政治的緊張の高まりを背景に、欧州では防衛技術に対するVCの関心が急増している。しかし、こうした投資の倫理性に関する投資家の懸念は、依然として多くの投資家を傍観させている。防衛技術は、AI、量子、宇宙、サイバーセキュリティなど、さまざまな分野と重なり合う可能性がある。

「私が国防長官だったときにはっきりしたのは、膨大なイノベーションがヨーロッパとイギリスにあるということだ。しかし、(防衛関連企業が)資金調達にアクセスしようとしたり、成熟した企業であれば、欧州全域で追加的な防衛支出を獲得できる可能性があるにもかかわらず、ESGルールのために資金調達にアクセスできないのです」とウォレスは言う。

新興企業からエアバスやタレスのような大企業まで、あらゆる規模の防衛関連企業がESG基準のために資金調達に苦労していると、8月に政府を辞任し、昨年はナトーの次期事務総長に立候補したウォレスは言う。銀行セクターでさえ、防衛テック企業への支援を拒んでいる。その理由は「自分たちの手を汚したくないという、古典的な高い道徳観」だとウォレスは言う。

「ヨーロッパの産業に投資しない限り、この仕事で競争することはできず、技術革新は大西洋を越えて消えてしまうでしょう」とウォレスは言う。「わが国の防衛市場は、ESG規則で自らの足を撃つのをやめる必要がある」。

ウォレスは、特に世界がブロックごとに細分化されるにつれて、防衛イノベーションへの投資の重要性は「多くの人が理解している」と考えているが、彼はまず、防衛支出を強化しなければならないNATOと欧州政府内部の文化を変える必要があると言う。

秋に予想される英国の総選挙を前に、ウォレスは、労働党と保守党の双方が、拡散しすぎる長期的な期限ではなく、明確な期限を定めてGDPの2.5%から3%を防衛費として支出することを約束することを望んでいると言う。

「わが国の産業界は、政府予算の増額に伴って必然的に増大する需要に対応する準備ができており、その能力もある」と彼は言う。

Source Link ↓

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?