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中学校教師 #32 鮮度の良いうちに教材にする


4月から中学校で勤務しています。
いずれは小学校に戻ることを考え、この経験を記録に残そうと思います。
異動の経緯や考えは下記参照

先日、職場の飲み会がありました。
年の近い先生方と2次会に行きました。
普段は職員室では話すことができない内容&忙しさ。
若い先生が自分の思いを語っていました。

やっぱ大変だよなー。

でも、それに勝るやりがいがあると信じて仕事を続けるしかない!


トラブルは突然に

ある日の朝。
職員は朝打ち合わせ(職員室)
生徒は教室で朝の会をやっていました。
打ち合わせが終わり、教室に向かうと、生徒が何人か教室を出て階段を下りてきます。そのうち一人が涙目でした。

話を聞くと、教室でトラブルがあり、首付近をケガしたとのこと。

ケガをした子、させた子とともに保健室へ。


【出来事】
・着替えの際にAがBが嫌がるようなことを言う。
・Bはイライラしたまま朝の会。
・朝の会終了後、BはCの文房具を借りる。
・BはAに対して仕返しをしようとする。Cにも伝える。
・BはAに対して仕返し。Aはケガをする。



初期対応って大事

まずはケガの手当てをしてもらう。(軽傷)
その後、2人から事情を聴き、事実を確認。
双方に良くない言動があったことを確認し、双方が謝罪。

いろいろな報告のため、1時間目の授業の教室に校内電話をして5分程度の遅刻と自習内容を伝える。

職員室に戻り、学年主任に報告。生徒指導主任と教頭に報告することを確認。
また、首から上のケガのため、家庭連絡することも確認。
ケガの程度から、直ちに連絡ではなく、昼くらいに連絡で良いと確認。

★生徒への指導★
比較的落ち着いて話ができた。(生徒も私も)
周囲の生徒も見ている状況だったため、事実確認はスムーズにできた。
謝罪の言葉がすぐに出てきたため、話し合いもすぐに終了。
授業に行き、しっかり学習するように伝えた

★報告★
自分の学級で起こったことなので、なかなか言い出しづらい内容だが、後回しにせず、すぐに報告。
経緯、ケガの状況、今後の対応を伝えることができれば大体OK。

ここまで約10分間。授業にもわずかに遅刻しただけでなんとかなりました。

★家庭連絡★
首から上のケガなので早めに連絡。
ケガの程度は電話では伝わりづらいので丁寧に話をする。
ケガをした子、ケガをさせた子双方に連絡。
まず、ケガをした子。
次に、ケガをさせた子。
ケガをした子の保護者に電話連絡した際の、話の感じを把握しておけば、ケガをさせた子の保護者にも伝えることができる。(怒っているor受け入れているなど)ここで、ケガをさせた子の保護者の良識があれば、相手の名前を聞き、謝罪の連絡を入れようとするためそういった場合はその対応をする。


トラブルは成長のきっかけと捉える

こういったトラブルは嬉しい出来事ではありません。
しかし、いつまでも教師が出来事に腹を立てているのも違うとも思います。

生徒のトラブルは、みんなの成長のきっかけ

このように捉え、たまたま設定されていたこの日の道徳の授業内容を変更しました。
AとBには事前に確認をとり、道徳で扱うことを了承してもらいました。


授業では、A・B・Cの関係を簡単に図に書き、イメージをつかむようにしました。
AとBは仲良し。ふざけ合う。
AはBが嫌がることを言う。
BはAに仕返しをする。
CはAと仲良し、その場にいるけど、止めなかった。


ミライシード・ムーブノートにて、3つのカードを配付して、名前を伏せる形で広場にカードを集めます。
【質問① A・B・Cにアドバイス】
A・Bについては、してしまった行為をしない方が良かった、Cについては、A・Bを止めることができれば良かったという意見が多くでる。まだ、本音よりも建て前重視の意見ばかりという印象。

【質問② このようなことが起こらないようにするためには】
少しずつ本音が出始める。Cの立場(やや傍観者)になる可能性が高いことを伝える。もし、自分がCの立場なら…と考える。

Cの立場で考え、関わり方の難しさを共有

【質問③ 今日の話から学んだこと】

裏側もあることに気付く
ムーブノートでカードを共有したからこその気付き
自分に置き換えて考えているのでOK
楽しさもふざけも必要性はあるが…
相手の気持ちを察することが大事 今日の学びはその一歩になるか
ふざけているときこそ、節度を意識できると良い

子どもたちのカードを読み、この日のトラブルを即座に教材として道徳で扱ったことは間違っていなかったと感じました。本当は、教科書の資料を使って…という授業を行うことが教師として大切なのかもしれないが、それ以上にこの話を扱う価値があるのだと思う。


まとめ

 この日の出来事のように、教室ではトラブルは起こりやすい。特に、中学校の現場では、担任が教室にいる時間はかなり少なく、生徒だけで行動する時間がかなり長い。だからこそ、些細なトラブルは発生しやすい状況にある。これを教師の力だけでコントロールしようとすると、かなり管理的な学級の雰囲気になり、教師の負担も増える。
 もちろん、人間関係を良好にするような活動を日々取り入れたり、対人スキルを高めるようなトレーニングを行ったりすることもこのようなトラブルを減らすためには大切な要素であるが、そんな時間も取りづらい。
 トラブルが起こった際に、「はぁ、やってくれたな。」や「生徒を懲らしめるように指導!」というマインドがある教師が対応すると、その場は静かになるが根本は解決しない。むしろ、水面下でトラブルが継続し、表出化しないために事態は悪化していく可能性もある。
 少なくとも、この日以降にこのようなトラブルは発生していない。お互いのことを思いやり、適度な人間関係を築いたり、守ったりすることができるような生徒を一人ずつ増やすようにしたい。
 教師としてどのようなマインドでトラブル発生に対峙するべきかを問われたような1日だった。





 自分の学級が好き。
 日常の会話、些細なやり取りをする楽しさを日々感じることができる。
 そこには生徒の笑顔がある。
 もちろん、私も笑顔でいたい。


【「えがお」を大切に  焦らず、誠実に、前向きに】



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