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変わらない今日だけど、明けましておめでとう

年末年始
以前まではウキウキな年末の雰囲気を楽しみつつ、紅白を観たり、日付が変わる頃に近所の神社に初詣に行って、おみくじ引いたりしていたっけな。

朝までカラオケオールなんてこともあった。

2023年の年末、私は、そば食べて、紅白観て歌を口ずさみながら「女優はやっぱり綺麗だなぁ」とか、「この顔に生まれたかったわ」なんて考えつつ、少し残ってた片付けを終わらせてた。

もちろん、この年末年始だって、年越し初詣も、カラオケも、色々考えてみたけど、どこかに行きたいという気持ちは湧いてこなかった。

なぜだろう?
歳を重ねたせいかなぁ

ただ、急に初日の出は見たいなって思った。

よくよく考えたら人生で1度も初日の出を見たことがないって気付いてしまったのだ。

さっそく調べてみたけど、近所で初日の出が見られるスポットは事前予約制で、早いところは11月には売り切れていた。

どこか無いかなって色々調べてみたけど、条件に合うところは残念ながら見つからなかった。

私はいつもこうだ。
思い立った頃には時すでに遅し、いつもギリギリか直前に思い付くから、よく後悔する。

残念ながら、初日の出は無理そうだったから、いつもより少しだけ遅めの時間に、私はいつも通り眠りについた。

AM6時半
ふいに目が覚めた

カーテンを開けて外を見ると、ほんのり明るくなっていた。
昨日の雨が嘘のように、雲ひとつ無い晴れた空、見ただけで空気が澄んでいるのが分かる。

私は我慢できなくなった。
気付いた時には、寝起きパジャマのまま、ベランダに出ていた。

冬特有の、冷たいけど、どこか心地よい風。

どうしても初日の出が見たくて、私はベランダから、踏み台を使って屋根に登った。
瓦屋根のつるつるで、ひんやりした気持ちよさが私の気持ちを高めた。
(良い子は真似しないでねw)

以前、落ち込んだ時にもお世話になった瓦屋根の上は、私の特等席だ。

まるで漫画のように屋根に寝転がって、空を眺め、飛ぶ鳥を見て、風を感じると、自分が人間じゃないみたいに感じるし、元気がもらえる。

今日は体操座りをしながら、日が昇るまでボーッとしていた。

背中には、儚く消え入りそうな月が見える。

どれくらい座っていただろうか、少し身体が冷えてきた頃、光が明るく強くなってきた。

ドキドキして待っていると、これでもかと、光輝く太陽が姿を見せた。

太陽なんて何度も見ているはずなのに、今日は何故、こんなに綺麗なのだろう。

力強いのに、優しさを感じる
私の全てを包み込んで、許してくれて
新しい人生が待っているような気持ちになった。

初日の出なんて、ただの太陽だろ、日の出だろって思っていた自分が恥ずかしくて、反省した。

美しく顔を出してくれた太陽に向かって、私は思い切り背伸びをして、その眩しく輝く光を身体いっぱいに浴びて、屋根から降りた。

この日の、初日の出の美しさを、私は一生忘れないだろう。

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