【読書】言葉が遅い?と不安になったら読んでほしい
魔法の言葉かけとは
私は保健センターで保健師をしていて、乳幼児健診で発達の遅れがあったり、凸凹のある子のフォローをしています。
発達障害の診断はされていないけど、遊びを通して苦手を減らす「遊びの教室」を担当しています。
遊びの教室の中では子どもの発達や特性を見るだけでなく、パパやママがどんな関わりをしているか、どんな声かけをしているのかも見たりしています。
日々感じていることの中で、
言葉が遅いのは発達障害(脳の機能障害)というより、パパやママの声かけのポイントが少しずれていたりして、効果的な言葉の習得ができていないから言葉が遅いのでは?と感じることが少なからずあります。
わたし自身もそうですが、パパやママになったからといって、急にプロ並みの子どもの接し方ができるわけないです。
「子どもにたくさん話しかけてあげましょう」とか「遊んであげましょう」と言われても、「いやいや。話しかけてますけどー!」「わたしの子育ての仕方って間違ってるんだ…」ともやもやしてしまいます。
しかし、映画を見ている最中に読書ができなのと同じで、注意がそれている時にいくら話しかけても、馬の耳に念仏状態です。
本書では、どんな言葉をかけたらいいのかだけでなく、どんなタイミングで、どんな表情で子どもに伝えればいいのか、とても具体的に詳しく書いてあります。
子育ては大変な事ばかり…と疲弊しているパパやママ、保育士さんが、自信を持って笑顔で子育て、保育ができるようになれる一冊です。
魔法の言葉かけを読んだ感想
よかった点
自閉症の子向けに書かれた内容だが、子どもと関わる大人は読まないと損する1冊
大人の関わり方次第で子どもは何者にもなれる!と気持ちが明るくなる
具体的な日常生活での遊び、声のかけ方がわかりやすく書いてある
家庭でも療育並みの働きかけができるようになる
療育に通っているけど、もっと早く効果がでるといいなと思っている方におすすめ
子どもの気持ちを代弁するのが得意になる
発達障害のある子が何を感じて、何を考えて行動しているのか一目でわかる
目が合いにくい子でも、遊びを通して社会性アップさせる重要なポイントを知れる
子どもを怒らずに、褒めて伸ばす能力が身につく。いつ褒めてどうやって褒めるのかがわかる
発達障害の子がいじめられた時の親の体験談⇒我が子だけでなくいじめっ子への働きかけ方法も知れる⇒保育士、教師の方にも読んでほしい
悪かった点
発達障害の中でも自閉症に重点が置かれているのでADHDやLDのことは書いていない
実践してみないと宝の持ち腐れになる
挿絵や4コマ漫画、実際の会話の様子を用いて書かれているため、抽象的な文章で理解したい人には向かない
子どもと大人の1対1での関わり方が主に書いてあるため、保育園などの集団生活での発達障害の子への関わり方についてはあまり触れられていない
未就学児にまでに本書に出会えたらいいけど、小学校以降だと本書の内容のできることが限られてくる
自閉症は3歳過ぎまで診断を下さない病院が多いので、情報感度の高い親じゃないとそもそも本書にたどり着かない。
ABA(応用行動分析)は子育てが楽になる!
本書で用いられている魔法の言葉かけのもとになっている療法は、ABA(応用行動分析)です。発達障害についての研究が進んでいる北米で、適切な対応によって子どもたちが驚くほど伸びている例が多数報告されるようになった!というスゴイ療育方法です。
ABAは日本語で「応用行動分析」と言います。
ABAは、人がなぜそのように行動するのか?行動の理由や目的を探っていき、子どもの困った行動をなくしていく方法です。
例えば…
A:行動前の状況 「お菓子買ってー!」とママにおねだり
B:行動 お菓子を買ってもらえずお店で大泣き
C:結果 親は仕方なくお菓子を買ってあげる
⇒子どもは「駄々をこねればほしいものが手に入るという成功体験をする」
ABA(応用行動分析)を使うと?
事前に約束をする 「お菓子は買わないよ」と約束をしてから店に入る。
A:行動前の状況 「お菓子買ってー!」とママにおねだり
B:行動 お菓子を買ってもらえずお店で大泣き
C:結果 親は約束が守られなかったので店の外に出る
⇒子どもは約束を守らないとお菓子を買ってもらえないんだと理解する
⇒その積み重ねにより、子どもの困った行動が消去されます。
ABA(応用行動分析)は、子どもが変わり、子育てが楽になる方法です。(^^♪
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