見出し画像

障害者雇用から正社員になった話(IQテストをきっかけに働き方を考える)

こんにちは、大学院在籍中に精神病院入院、食品スーパーでの障がい者雇用から苦節13年、正社員登用されたSt.Mです。今はシステム部での平社員なのですが、店舗にいた時はパートさんの部下(この呼び方は好きじゃないけど)に指示を出しながら、働いていました。この記事ではIQテストの結果を受けて働き方を変えていった話を書きたいと思います。

正社員登用試験不合格をきっかけにIQテストを受ける

僕は正社員登用試験に受かるまで何度も落ち続けました。その最初の不合格の時に、「自分が何を得意としていて、何が不得意なのかが分からない」と痛感しました。

そしてすぐにIQテスト【WaisⅢ(ウェイスサード)】を受けさせてもらいました。

自分の能力がアンバランスなことは理解していたものの、一般的な人と比べて何がどれくらい苦手なのかが分からなかったのです。

WaisⅢでは13種類のテストを90分程度で受けます。各テストでは、簡単な問題からスタートして徐々に難しくなっていき、どこまで答えられたか、答えるのにどれくらい時間を要したかなどを検査官が判断し、平均を10として1~19のスコアをつけてIQを算出するようです。各数字がIQいくらになるかは、検査する人のデータで補正するみたいなので違いがあります。

僕のIQテストを受けるまでの自己評価は、言語能力が低いものの、動作は速いと思っていたのですが、実際に出た結果は、言語能力の方が高いという結果だったので驚きました。

13種類のテストの結果で、各項目の数値がでますが、問題となるのは、一番高い項目と低い項目の落差になります。

僕の場合、一番よくできた項目は19(つまりは測定上限)、苦手だったのは5と、小学生レベルの能力しかありませんでした。この落差が14もあるというのは、ほとんどあり得ないくらいの確率です。

能力をグラフにした時に、高い水準でまとまっているのが理想ではありますが、低い水準でまとまっていても病んだりしにくいと言われています。僕の場合は能力のアンバランスさが、生きづらさを生んでいたのかもしれません。

能力のアンバランスがしんどい理由を車で例える

IQテストの結果を分析すると、僕は頭に入っている知識量がとてつもなく多いし、頭の回転も速い反面、一度に処理できる情報量(ワーキングメモリ)がそれに釣り合わないくらいに低いという結果でした。

普通の人は何かの場面で選択肢が3個しか思い浮かばないとします。
3個の選択肢だと簡単に決断できますよね。

ですが30個の選択肢が思い浮かぶ上に、一度に考えられる量(ワーキングメモリ)が少ないとしたらどうでしょう?整理できずに決断できなくなってしまいますよね。

普通の人なら思い浮かばないようなことに悩んでしまって、答えが出せずにしんどい思いをしてしまうパターンがあります。

僕の結果を車で例えると、車はガソリンを燃焼させてそのエネルギーで走りますが、頭に入っている知識量が燃料であるガソリンで、頭の回転がエンジンの性能です。そして一度に燃焼できるガソリンの量(排気量)がワーキングメモリになります。

僕は、ガソリンを何トンも積んでいるし、エンジンも高性能だが、排気量が小さいため大きな馬力が出せず、積んでいるガソリンが重すぎて走れないというような状態でした。

この3つの能力のバランスが良ければ、トータルでの性能は良くなります。排気量やエンジンの性能がそれほど良くなくても、積んでいる燃料が少なければ、その分軽くなってスピードは出やすくなるといった具合ですね。

ではこのような特性を持った僕に適した働き方はどのようなものかを考えると

①   長距離運転
燃料は無尽蔵に積んでいるので、地道にコツコツ長距離運転が向いている
1日で成果を出せというような仕事ではなく、1か月1年といった長いスパンでの結果を求められる仕事

②   平坦な高速道路
非常に狭い範囲の仕事だけであれば、高い集中力で高速でこなすことができます。

③   自分の燃料を他人に補給して、他の人に走ってもらう
とにかく知識量が多いので、分析力を生かして、知識を他の人に分け与えて、その人たちに働いてもらう。

僕はスーパーで働いているのもあって、チームとして成果を出す必要があります。そこで③の働き方を身につけるよう努力しました。とはいっても努力していると自然に③の働き方に落ち着いたという方が正確かもしれません。

部下の自発性に任せることでタスクを減らす

僕は仕事の意味や背景などを説明することが得意です。仕事の意味や背景・理由などを部下に伝えていると、部下は自発的に仕事をできるようになります。僕は、失敗しながら学んでいけばいいというスタンスなので、自発的に仕事をした結果うまくいかなかったとしても、叱ったりはしませんでした(うまく行かなかった原因を分析して、次からはこうしようと伝えます)。

部下の自発性にまかせると自分の管理するタスクを減らすことができます

ですから、マルチタスクが苦手な人でも部下を持つことはできるかもしれません。

部下を信じて任せるには、忍耐も必要になります。

また、部下の自発性に任すと言っても放置はしないんですよね。
誰が何をしたかは、売場の状況などを見たりして、把握します。

そして、「○○してくれて、ありがとう(助かった)」と伝えるんですね。
自発的に考えて仕事をしたことで、いい結果(感謝される)が出るとその行動が強化されるんです。

自発性に任せるといっても、部下の仕事に無関心でいいというわけではないんですね。

また、部下が自分についてきてくれるかどうかは、自分の人間性にもよるところも大きいと思います。過去の記事で、人を不快にさせないために僕が実践していることを書いています。


障がい者雇用で採用された人間で、部下を持ってはたらくようになった人は少ないと思います。僕のやり方を紹介しましたが、他にもやり方はあると思います。次回の記事では、僕が仕事で実践していた、タスクを減らしていく方法について紹介したいと思います。 ではまた!

お金はご自身やご家族のためにお使いください。みなさまに幸せの訪れを願っています。