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軍オタ(WW1-WW2専門

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最近の記事

砲弾の貫通力計算

大前提として「砲弾の貫通長Lは 砲弾の運動エネルギーEを砲弾断面積S=貫通孔の断面積で割ったものに比例する」という仮定をします $$ L\propto \frac{E}{S} $$ 比例定数Kを使って表せば、 $$ L = K\frac{E}{S} …(式1) $$ この式は $$ E=\frac{1}{K}LS $$ さらに$${\frac{1}{K}}$$を比例定数と見なせば $$ E \propto LS $$ と書き換えることができます。 右辺のLSつま

    • 1930年代前半の対戦車砲

      1920年代後半までは対戦車砲という概念はほとんど存在せず、対戦車戦闘には従前の歩兵砲や野砲を転用すればよいという考えでした。しかし1920年代後半から1930年代前半にかけて各国で37mmクラスの対戦車砲が次々と開発され、37mm対戦車砲が事実上の標準となるとともに対戦車砲という概念が急速に各国の軍隊に普及していきました。 第一次世界大戦で登場した戦車は装甲が最厚部でもせいぜい30mmしかなく、野砲の直撃に耐えられるようなものではありませんでした。野砲の直接射撃で戦車を撃

      • 75-76mm戦車砲

        75mmM1897野砲系75mm M1897野砲 75mm M1897は19世紀末にフランスで開発された世界初の駐退復座器付き実用野砲です。この砲は当時としては画期的な高い発射速度を持ち、第一次世界大戦ではフランスの主力軽野砲として使用されました。第一次世界大戦後はアメリカでも主力野砲として採用されました。フランスではこの砲を第一次世界大戦中に開発されたサンシャモン戦車や2C重戦車の主砲として使用しました。弾薬は骨底薬莢式で、寸法規格は75×350mmでした。閉鎖器は隔螺式

        • WW2ドイツの戦車砲

          第一次世界大戦~小口径砲(3.7cm砲以下)ドイツの近代的な対戦車砲は1930年代中期に開発された3.7cm PaK36に遡ります。それ以前にも第一次世界大戦時代の戦車砲や、対空砲を戦車砲に改造した2cm戦車砲が存在しました。3.7cm PaK36は洗練された設計で、1930年代においては十分な性能を有していましたが、第二次世界大戦の時代になると急速に性能不足が表面化し、3.7cm PaK36の設計を拡大する形で設計された5cm PaK38に更新されていきました。 マキシム

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