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スリの手口、シェアします@スペインバルセロナにて

アントニオ・ガウディの建築物巡り、友と女2人で、バルセロナへ行った。


初日にグエル公園へ

カラフルなタイル張りのトカゲのオブジェ、まるで樹木に見える石積みでできた回廊、初めて体験するガウディを楽しんで、ウキウキした気分で、グエル公園を周遊している林の遊歩道を下って、街へ出ることにした。

回廊の外側
回廊の内側

林は明るくて天気も良かったので、遊歩道を下っていくのはとても気持ちが良かった。ルンルン♪と歩いていたら、頭と肩、背中あたりにバラバラと何か降ってくるものを感じた。
「ん?」
友人と顔を見合わせる。黒いセーターを着ていた私。肩を見ると黄緑色の大きめの水滴がいくつかついている。
友人の白いセーターにも同じ水滴が。
「鳥のフンかなあ?」
黄緑色だし雨ではないだろうし、ここは林だから、糞でも、まああり得る。
でもなんか変、だけど、とりあえず拭こうか、と立ち止まって、カバンからティッシュを取り出そうとしたその時、背後から歩いてきたスパニッシュ系と思われる若いカップルが
「何か汚れてるわよお」
と近づいてきた。

友人のセーターが白で黄緑色の水滴が目立ったからか、友人に近づき、女性は持っていたペットボトルの水で「拭いてあげるわあ」と言う。
「いやいや、それはいいです」と断りながら自分で水滴を拭く友人。
「そおお?」と女性。
私は自分の水滴を拭き取ったところで、
「じゃあ、気をつけてねえ♪」
とカップルは手を振りながら(スキップしながらだったかもしれない)
林の遊歩道を早足で下っていった。

その間に、おそらくカップルの男性が友人のセキュリティウォレットの中身をスったことに気づいたのは、その日の夜中、ホテルでのことだった。

友人が夜中に荷物整理をしていた時に、セキュリティウォレットの中身だけないことに気づいたのだった。
「ぎゃー、ない!」
中身は日本の銀行のキャッシュカードと千円札2枚ほど、
クレジットカードやパスポートでなかったのは幸いではあったが、
スリにあった気持ち悪さと、その巧みな手口に丸一日気づかなかった悔しさで、なんとも後味の悪いどよーんとしたバルセロナの初日の夜であった。

さて犯人は?

真夜中、友と腕を組んで考える。

グエル公園の後は、サグラダファミリアへ、塔をてっぺんまで登って、その場に居合わせた、学生と思われる2人の若い男性と写真を撮り合って、ほんの数分楽しく過ごしたが、グエル公園の後に見知らぬ人と接触があったのはその時だけ。
彼らを疑ってみたりもしたが、デジカメを交換したくらいで、狭い塔の上ではちょっと違う気がする。

そして、朝一で行ったグエル公園の林の遊歩道で、降ってきた黄緑色の水の正体は、実はスパニッシュ系カップルが色付きの水を水鉄砲で飛ばしたのでは、と友人。
バラバラっとした水滴の感触や、背中や肩に当たったのも水鉄砲的で、納得な推理。
私は、自分についた水滴を拭き取るのに集中していて、友人の方を見ていなかったし、それも作戦のひとつかもしれない。

気をつけてねえ


「ちょっと驚かせて、気を逸らした隙にスる」
「旅行者を狙った小遣い稼ぎスリ」

よく聞くような海外旅行注意喚起だが、自分が遭って、まさにこのこと。

改めて振り返れば、初めから妙な展開だったと思うが、
見知らぬ土地で、初めての出来事に合うと、少なからずとも慌ててしまうものなのですね。

「気をつけてねえ」
と、カップルの女性も言い残して去って行きましたとさ。笑

2007年のサグラダファミリア 建設中でもかっこいい

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