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神様のアルファベット

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高校生の大翔と陽菜は、ある日偶然から、自宅近くに知らない神社があるのを見つけた。 ほとんど存在を忘れられ荒れ放題になったその神社には、一風変わった身なりと権能の神様がいた・・・。
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#理数系小説

第15話 法律家のたしなみ 後編

「フェルマー? フェルマーって、たしか・・・。」 「昨日も名前出て来たえ。“フェルマーの…

ききゅう
12時間前

第14話 法律家のたしなみ 前編

「素因数分解?」  陽菜が小首をかしげた。 「おう。ネットで調べてみたらな、素因数分解って…

ききゅう
7日前
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第13話 見果てぬ夢

 視界のすぐ下を、地面が目にも止まらない速さで後ろへ流れる。四つん這いのまま全力疾走でも…

ききゅう
3週間前
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第12話 数学が嫌いになった理由

 大翔は自室の机に向かい、腕組みをして考え込んでいた。  机の奥の方には、お菓子棚からと…

ききゅう
4週間前
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第11話 くり返すあまり

「そうや、思い出した! あまりはくり返すねん!」 「うん? どういうこと?」 「見てみぃ!…

ききゅう
1か月前
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第10話 情報を活かせるかどうかは工夫次第?

 叔父の豪との電話を終えた後、大翔は筆記用具をカバンに入れ、塵劫神社へ向かった。  家か…

ききゅう
1か月前
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第9話 戦国武将とトランプと暗号と

「え、暗号?」 「おう。RSA暗号、言うてな。インターネットのセキュリティを支える大事な技術や。」 「え、マジで?? どういうこと?」 「なんやお前、暗号に興味あるのんか?」 「うん、ちょっと。」  大翔が最初に“暗号”という言葉と概念を知ったのは、幼い頃に見た何かの映画だった。タイトルはまったく覚えていないが、ニヒルなスパイが活躍するストーリーで、クライマックスで暗号を解読するシーンが出てきたのだ。敵国の警察の気配を感じながら、それまでに集めた情報をつなぎ合わせて、みごと

第8話 お釈迦さまの手の上で計算していたという話

「陽菜、俺とつき合うてくれ!!」  大翔は、清水の舞台から飛びおりる覚悟で頭を下げた。す…

ききゅう
2か月前
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第7話 問題を出したからには答えられなきゃウソだよね? 後編

「ヨシザカエ様って、イヌ派ですか、ネコ派ですか?」 「はあ? なんえ、いきなり?」  大…

ききゅう
2か月前
2

第6話 問題を出したからには答えられなきゃウソだよね? 前編

「回答に答えだけ書くな。必ず解き方を書け。」  中学のころから、数学を担当する教師はみな…

ききゅう
3か月前
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第5話 仕返し

 夜の9時すぎ。  大翔は自分の部屋で、ベッドの上にうつ伏せになっていた。胸元に引き寄せ…

ききゅう
3か月前
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第4話 幻覚

「なんや、食べへんのかいな?」  吉栄光比売が大翔に言った。 「いやだから、俺甘いのん苦手…

ききゅう
3か月前
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第3話 最初の算額

次の数字を $${11}$$ でわったあまりを求めよ: 「大翔〜。この前の数学の小テスト、何点やっ…

ききゅう
8か月前
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第2話 算額

 次の数字を $${11}$$ でわったあまりを求めよ: 「え。なんすか、これ?」  大翔は吉栄光比売を見た。 「数学、いや算数の問題や。」 「いや、見たら分かるて、そのくらい!」  大翔が無遠慮にツッコミを入れた途端、吉栄光比売の目尻が釣り上がった。慌てて陽菜がフォローを入れる。 「ええっと、そうやなくて、なんで絵馬に算数の問題が書いてあるんですか? 絵馬って、願いごと書くためのもんやないんですか?」 「ああ。“算額”、言うてな。数学の問題を解いた者が、それをわらわに報告