第15話 法律家のたしなみ 後編
「フェルマー? フェルマーって、たしか・・・。」
「昨日も名前出て来たえ。“フェルマーの小定理”ってな。」
吉栄光比売が、聞き覚えのある定理の名前を出す。大翔は思わず、数学徒Xからの絵馬を見た。そこに書かれている“$${2^{2024}}$$を$${13}$$でわったあまり”を求める問題で、昨日お世話になった定理だ。大翔が考えた返事の問題はあまりを求めるものではないので、フェルマーは大翔の中では“終わった人”扱いになっていた。またしてもその名前に出くわすことになるとは・・・