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こうべ森と木 第2回共創会議を開催!

7月に設立されてから、約半年。今年度の取り組みの共有と、今後についてざっくばらんに意見交換するため、こうべ森と木のプラットフォーム共創会議を開催しました。
日 時:令和6年2月5日(月)15:00~17:00
場 所:神戸市職員研修室(貿易センタービル22階)
参加者:参加者41人、事務局(神戸市、プラットフォーム関係)12人 計53人


開会挨拶(神戸市建設局防災担当部長)

こうべ森と木のプラットフォームは、森林整備や木材活用への課題解決に向けて、行政・森林所有者・事業者・大学関係者間で情報共有をしながら連携をしながら取り組む場として、昨年の7月に設立をしました。
これまでのとりくみの振り返りや、見学会で見た内容を踏まえ、今後のプラットフォームの取り組みを充実また加速させるための活発な意見交換の場としたい、と想いが伝えられました。

開会あいさつの様子

その後、プラットフォーム、また、取り組みの柱「地域の森林を育む」「関わり創出」「ストック・流通支援」「木材を活かす」毎に取組概要を事務局から説明して、半年間の活動を共有しました。

公民たくさんの方に参画いただきました。

ディスカッション内容

その後、意見交換を行いました。どんなことを課題と感じているのか、今後どんなことに取り組んでいきたいのか?ざっくばらんに意見交換を行いました。文字ベース&長文となりますが、抜粋して、ご紹介いたします。

適正な価格、森林、木材活用が担う価値の評価について

  • 適正な価格というのは難しい。税金を投入しているものと一般の流通とのすり合わせ。市場の価格より安くなってはいけない。一方で、市が取り扱っている材であるから安いのではと思われる可能性もある。今の木材の価格が安すぎるので、一定の適正な価格にしていくということは大前提として考える必要がある。

  • 山主にどうお金を返していくかが重要である。所有者からは次世代に山を負債として残したくないという意見をもらっている。山が資源になるという感覚を持ってもらうことが難しい。どう変えていくかを考えていかねばと思っている。

  • 適正な価格というが、森林の価値をどう評価するか、その公的な価値を維持するのにどのくらいのコストの話もあると思う。すべてを民が担うのではなく、公が担う部分もあると思う。森林整備側から見ると、木材の価格というのはどう考えることができるか?

  • 森林の多面的な機能を有している中で、防災に注目し、防災を金銭的価値に置き換えられないかと考えている。経済優先の社会では、どうしても金銭に置き換えて評価することとなるが、経済面以外で評価できるような仕組みを組み込まないと循環させられないと考えている。

  • 森林の整備や木材の活用を進めるために、価格がこれくらいの金額でできますよ、ではなくこの価格で、買ってくださいと交渉したい。そのためには木材の背景のストーリーやメッセージ性を売っていきたい。従来の経済性以外の価値でつなげていきたい。

ディスカッションの様子

川上と川下をつなげる仕組みづくり、森林のゾーニング

  • 近年は、森林が資源であるという側面に加えて、森林の公益機能を高めることもテーマとなっている。神戸市が実施する森づくりも、根底は森林の公益的機能を高めるために必要な整備を行った際に、ただ伐られて捨てられていた木を活用するように変えていきたいという流れが前提であると認識している。

  • 活用することで森林の機能も高められ、経済的価値も上げていきたいというところが重要である。上流の森林整備をするところと下流の木材を活用するところが分断されていると山に還元ができない。そこをつなげる仕組みづくりが重要。

  • 関わり創出において、さまざまな研修をしていくと思うが、ターゲットを定めつつ、ゾーニングができるといいのではないかと思う。大学は若い世代と交流できるプラットフォーム。神戸の大学生が現場を知らないので、現場を見る機会を作りつつ、連携をして神戸の森のことを一緒に考えていけたらと思う。

多様な入り口を

  • 森林資源の活用はすべてお金を生まなければいけない、と昔からよく聞く。補助金があればできるのに、という意見もずっと出ている。用材にならないような木も資源だという視点からプラットフォームで議論をしていくことは、新しい試みだと思う。

  • 六甲山オフィス((株)紅中)は、まずは森を知るという入り口のフィールドとして活用してほしく設立した。大手商社とのビジネスのつながりを持っているというのも、参画するうえでの強みになれると考えている。林業の課題などの押し付けるような勉強ではなく、アウトドアなどの楽しいところから入ってほしい。

  • こべっこランドが40年前にできたときは木工教室があった。移転する際に、木工道具が大量にあったが、廃棄しようとしていた。かつていた担い手が失われ、つながりが絶たれているという象徴と感じた。また、ワークショップの開催や木材を使ったノベルティ制作が、安価に発注されたりする。価格の感覚の違いや、森とのつながりが絶たれていることを感じた。現在、焚火をしたことがない、という学生がいるのもその一端である。

ディスカッションの様子

神戸市の特性を踏まえた流通づくり・山林所有者を巻き込んだ議論を

  • いろいろとモヤモヤする。地域の木を使ってモノづくりをしていると、神戸では流通のプレーヤーが揃っているわけではないので、一般的な流れで物事が進められるわけではない。通常であれば仕入れから消費者に届けるまでに経済的に合点がいく。神戸では仕入れるところがない。加えて、ストックヤードの原木を例えゼロ円で買えたとしても、その後の運搬や製材、乾燥、ストックを全部しないといけないので、結局経費が賄えない。ビジネス的に川下の機運が高まっても、分断された間を誰かがリスクを負って請け負わないと流れが滞ってしまう。そこの議論をもっとみなさんとしていきたい。

  • 用材だけでなく、薪やチップとしても用途としてある。大事にしたいと考えているのは、神戸の木を使って、神戸の仕組みを回すと考えたとき、大きな経済の流通もあると思うが、山林の所有者の困りごとをどうやって解決するかということを山ごとに考えないといけなくて、一つの流通ではくくれない。木材を何に使うのが向いているのかということだけでもひとくくりにできないことばかり。各論的な議論や、山の所有者を巻き込んだ議論などが欠けているように思う。この場に森林所有者も参加してもらって話をする必要がある。

  • 所属会社で、新規事業の創生をミッションにしている。社会課題解決型ビジネスにチャレンジしようとしている。森林ビジネスを作れないかと勉強中。森林資源を流通させることで、国に利益を上げるような流通を作れないかと考えている。課題の一つである在庫にかかっているコストを山元に返せないかと考えているので、ストックヤードに引っ掛かりを感じている。売れ残りのような在庫が出てくるのではないか。在庫にならないようにどう流通させていくかの仕組みづくりを考えていきたいと思っている。川上と川下のつながりを作り、在庫を作らない仕組みをつくりたい。

  • 不良在庫を抱えておくのはまずいのはその通りである。一方、ストックヤードには、自然乾燥や仕分けなどのいくつか機能を持たせている。

  • 約10年前から、シェアウッズ(山崎氏)さんが中心となったこうべ森の木プロジェクトから始まり、だんだんと話が進んできている。山の価値をどうするかという話のウェイトが大きくなったが、この取組で扱う木材というのは、使うために植えた木でも、切った木でもない。だから税金を使って切った木をどうやって市民に還元するかという視点で議論をしてほしい。流通・加工業者として、なるべく付加価値をつけて流通させる手助けをしたいと考えている。

ディスカッションの様子
ディスカッションの様子

閉会挨拶(神戸市建設局防災課課長)

プラットフォームは刺激を与える場であってほしいと考えている。来年度は情報共有・情報伝達を自由にできるように強化していきたい。神戸市内には広葉樹林が多い。来年度以降も、チャレンジをしていきたいので力を貸していただきたい。神戸市全体をどうしていくかという観点に立ってやっていきたいと、改めて、神戸市の想いが伝えられました。

神戸市産材を活用した積み木の展示

今年度も様々な取組が展開されていく予定です。神戸の森と木、街に関わるみなさま、ぜひ、プラットフォームでお待ちしております。


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