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【詩】極めてプラトニックな性欲

一つの官能が手に入れたいのは
その自己愛にもかかわらず
己の官能ではなく
また 或るもう一つの官能でもなく
ましてや一体化することでもなかった

この狂気的凡人である自己愛者は
狂気的かつ凡人であるという二つの理由により
完全に分離した二つの官能を
第三者としてそれごと手に入れるということだけを
ひたすらに欲していた

決して色あせない二つの美
永久に外気に触れることのない
一つの完璧
それはもはやこの上ない芸術となるだろう……

「けれども私は、
あなたを愛していたのかしら?」
第三者になりきれなかった狂気的凡人が
心ともなく うそぶいてしまうとき
そこに見出されるものはただ一つの
極めてプラトニックな性欲である


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