マガジンのカバー画像

自作の詩まとめ

13
16歳から30代前半までに書いた詩をまとめたものに、2023年から再び書き始めた詩を混ぜて発表しています。先入観なく読んでいただきたいため、一切の説明を省くようにしました。記事の…
運営しているクリエイター

2024年6月の記事一覧

【詩】隣人とわたし

【詩】隣人とわたし

かすかな振動が
ほほえみのふるえが
隣人を目覚めさせた
わたしは白い陽の中に
堕ちた
隣人のつまびらかな密告によって

誤りに満ちた新月に復讐を宣言する
それでも新月はうたう
白い陽を反転させながら

うたは近づき
やがてわたしの戸を叩く

激しい焦燥の嚥下をしくじり
嘔吐する
わたしのまなこは虚空をさまよい
青いくちびるが冷徹に陳述した
—こころで見たかっただけなのです—

新月のうたが戸を開け

もっとみる