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人はなぜ他人を批判するのか

 人はなぜ、他人の事を批判し、叩くのでしょうか。他人と違った行動や言動をし、少しでも目立つようなことをすれば、ここぞとばかりにネット民から批判が殺到し、処刑台にさらされます。

 なぜ、このように多くに人は批判ばかりするのでしょうか?

 結論から言うと、人が批判や復讐、報復について考えると快楽を感じるからです。そして、これについては現代の脳科学が解き明かしています。脳の画像をスキャンしてみると、批判や復讐、報復、これらについて考える際に活性化する部位が、快楽を感じる部位と非常に近いということがわかっています。

 このことから、人は他人を批判すれば、脳の快楽を感じる部位が刺激され、快楽を得ることができます。なので他人の事は気にせず、自分の快楽を満たすためだけに他人を批判しているのです。

 なぜ、人の脳はこのような造りになってしまったのでしょうか?

 私たちは、気持ちいいことは正しいことで不快のことは悪いことだと無意識的に解釈してしまっています。性行為が快楽なのは、できるだけたくさんの子孫を残すためであり、美味しいものを食べると幸せを感じるのは、それが栄養の補給になるからです。逆に、腐ったものが不味いのは食べたら病気になってしまうからです。長い歴史の中で私たちの脳は、気持ちいいことをすればたいていのことはうまくいくようにプログラミングされているため、批判することで、脳が刺激され気持ちよくなるなら、人は好んで他人を批判してしまうのです。

 以上のように、人が他人を批判したり、復讐について考えているときは脳の快楽を得られる部位が活性化して気持ち良くなるので、止めることができません。私たちは、この脳の構造を変えることができないため、自分自身を律することにより、現状を改善するしかないのかもしれません。

参考文献 橘玲『不愉快なことには理由がある』 集英社




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