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捉えどころのない人

 あんたって捉えどころないよね。
 たまに聞く言葉だと思うんだけど、いざ言われると「ん? (捉えてなかったら、その捉えどころがないってのは一体全体どこからやってきたの?)」って思っちゃうんだよね。そして、基本的にちょっとネガティブよりな言葉な気がする。

 わたしだって良い大人だから、言葉通りに受け取ることはないし軽く流そうと思うんだけど、どうしても引っかかる表現ではある。ひっつき虫かな?

 いっそのこと、よくわかんない奴とか変わっているとか言われる方が潔くて、そこから話を拡げることだって出来るんだから、より好ましいとわたしは思う。
 捉えどころないよねって言われたら、その真意をどう捉えたらいいねんってツッコミ入れたくなっちゃう。(関西人だからってノリでなんでもさばけるワケじゃないしね。)


 そんなことはさて置き、この言葉を使う場合は大まかに分けるとこんな感じだ。

●捉えたけど言語化できない
●捉えたけど表現を避けた
●本当に捉えどころがない(理解の放棄)

 ちゃんと相手のことを理解しても、それを表現する言葉を知らなければどうしようもないし、明らかに相手を傷つけてしまう表現なら避けるべきだ。逆に嫌いな奴だったら、分かっていても絶対に褒めたりなんかしたくないよね。

 そして、本当に捉えどころのない人の場合。これは、自分が理解できないという側面も強いけど、理解したくないっていう思いもあると思うんだよね。決めつけたくないっていうのに近い気がする。

 なんだろう。
 「愛とはズバリ○○だ!」みたいに、言い切ったりする演出は嫌いじゃないけど、それだけかなーって考えちゃう。
 言葉の意味も、人も、ロボットじゃないんだし複雑なんだから、うまく捉えられなくて当たり前な気もしないでもないわけ。

 いつ聞いても同じ返答しかしない金太郎飴みたいな奴じゃなくて、毎回何が出てくるかわからないガチャガチャみたいな奴の方が楽しい気がする。
 こんな風に考えると、ちょっとポジティブ感出てきた気がする。

「あんたって話の幅が広いし深いし面白いこといつも考えてて、捉えどころのない人だったね」

 うんうん。なかなかいいんじゃない。

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