見出し画像

withコロナに必要な医療と建築のあり方 #01建築×医療

こんにちは。VAN-PARK Archi 編集部です。

他分野の動向を把握し相互に議論を重ね、場面・用途(機能)・スケール・次元を横断しながら多角的にwithコロナにおける世界について考察を行います。
第一弾として、
研修医1年目の川竹さん
医学部学生3年の田邊さん
薬学部学生修士2年の米井さん
医療関係の方々と共に、withコロナにおける世界について2020年5月6日に議論したものをまとめました。

会議写真

医学分野の動向の把握

▼医療従事者から考察する「Covid-19について」
(作成:研修医1年目川竹さん)

これまでに人類が感染してきた感染症として、天然痘やペスト、新型インフルエンザなど様々な感染症を経験してきました。その中でも今回のコロナはスペイン風邪に匹敵するような100年に一回のパンデミックと言われております。そこで、スペイン風邪とコロナを比較してみます。
スペイン風邪のときの写真ですが、テントを並べて、医療従事者がマスクをつけて治療をしていました。100年も前ですが、今回のコロナと同じ風景となっています。医療体制は昔から変わっていないことが明らかになりました。
コロナをきっかけに、医療のデジタル化を進めていかなければいけないと多くの方々が思っています。しかし、医療の機能は病院の中で隔離され、医療従事者が病院内で治療をするという仕組みには変化がありません。原因としては、仕組みの統制が難しかったり、支払いシステムの整備が出来ていないことが、デジタル化が進まない要因なのではないかと思われます。
コロナをきっかけに、医療とヘルスケアなどの情報を人々が使いこなす力は上がってきていますが、サービスやシステムも街中の至る所に分散させて、遠隔医療を広めていくことが医療分野で大事なことなのではないかと思います。

コロナによって医療で変わったこととは

ー今回のコロナで医療側で変わったことは何ですか。
病院に行けないこととオンラインツールの普及によって、遠隔医療の需要が高まりました。しかし、日本はオンライン診断した診断書を、正式な診断書として認められていないことが問題となっています。
人に害を加えることなくその人の情報をどう得るのかが、次の医療の課題となっています。

200506_建築×医療

距離をとりながら繋がること

ーどの業界でも物理的に距離をとりながら繋がらないといけない現状にあります。
病院を街と一体化させている事例として、愛知県の南生協病院というところがあります。市民と病院の密着型の病院となっています。シンガポールは病院側が街に寄り添うような例が多いそうです。
しかし、感染症の観点からは逆行しています。
ヨーロッパ地域では地区で診療医が決まっていたりします。地域レベルでそれぞれに合った医療をやっていこうという方針があるそうです。

ー今回のコロナで病院自体が階層化している実態を初めて実感しました。
病院は重度〜軽度等で指定があります。しかし、感染症は別の軸となっています。

家に居ながらオンライン病院

ーオンライン病院となると、触診や会って診療しなければならないことが出来ないですが…
電話するだけで心音を聞いたり、アプリで脈拍を測ったり、わざわざ病院に行って行っていたことを、家に居ながら行い、必要な時に病院にいく時代になっていくかと思います。
これからは、家で自分の医療データを採取して、病院にてリアルタイムで確認していくことがマストとなることでしょう。
採取した自分の医療データを、研究者に売り込みにいくような時代になるのではないでしょうか。

ー自分でデータを提供していくとなると、家で暮らしているだけで勝手にデータを取られるような仕組みの需要が高まりそうですね。
座るところに筋肉量の測定ができる装置もあるようです。
家賃や生活費を負担してもらい、何を食べているか・トイレ・風呂のような生活のデータを提供する仕組みはあるそうです。
介護施設では、データを提供することは通常でやられています。
情報やセキュリティ面で日本は他の国と比べ遅い現状があります。「医療」ではなく「予防・健康維持」のために行うとなれば、法規制などが緩くなるのではないでしょうか。

都市と寄り添う身近な医療(まとめ)

20200506_epi_医療×建築_kawatake

現在コロナによって、世界中が混乱している中で、100年前のスペイン風邪からコロナの医療風景は全く変化していません。病院は患者が来る場所から、公園のような公共空間となるのではないでしょうか。病院を街と一体化させて、市民の医療参加が自然となり、街に溶け込んだ病院が増えていくのではないでしょうか。

これからの建築と医療
・公園のような病院
・屋台のように自由な医療
・小さな建築(仮設)の可能性

第二弾は「建築×XR(VR・AR・MR…)」について、最前線で働く方々と共に議論していきます。
話した内容は随時note上に記録していきますので、是非チェックしてみてください!

対談
□医療
川竹さん(京都大学医学部付属病院 研修医1年)
田邊さん(大阪大学3年医学部)
米井さん(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科薬科学専攻修士2年)
□建築(VAN-PARK Archi 編集部)
沖林 秋山 塩田 福田 竹村 沼口 高橋

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?