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目からウロコの SWOT 分析活用法

SWOT分析は魔法の経営ツール?

経営コンサルティング=SWOT 分析、といっても違和感がないくらい世間に浸透している SWOT分析。

SWOT 分析表は、経営に影響を及ぼす様々な要因を整理できる便利なフォーマットですが、一方で、「SWOT 分析表に外部環境と内部環境を書き込んでみたら、霧が晴れるように会社の取るべき戦略が明確になってビジョンができる!」なんていう、魔法のツールでもありません。
今日は、SWOT 分析の特徴から SWOT 分析の活用法を考えてみたいと思います。

特徴①整理力

SWOT 分析の一番の特徴は、外部環境と内部環境の様々な要因をたった一つの表に整理することができる、情報整理力です。SWOT 分析表という一枚のシートに情報を整理することで、コンサルタントと経営陣の間で自社に関する認識を簡単に共有することができます。また、経営陣自らSWOT 分析に取り組むことは、日常のルーティン業務から離れて客観的な視点で自社のビジネスを考える良いきっかけになります。こうした利点が、経営コンサルティングの現場でよく SWOT分析が活用される理由です。

特徴②価値判断を含む(Helpful/Harmful)

もう一つの特徴は、すべての情報を自社にとって有利なものと不利なものに分けて整理する、という点です。有利か不利に分類するということは、「これから何をしたいか」が決まっていることが、SWOT 分析の前提になっているということです。従って、これから何をするかを決めなければいけない状況、つまり、企業戦略/マーケティング戦略をゼロベースで設計しなければいけないケースには、SWOT 分析は適さない、ということになります。

SWOT分析は、目的に応じて上手に使う

企業戦略/マーケティング戦略を設計する際も外部環境・内部環境分析を行うところまでは同じですが、それらを有利/不利に分けることはせず、逆に、現在の状況が自社にとって有利に働くようにするには、どんなゲームに持ち込めばよいか、という発想で戦略を考えます
こうしたケースでは、考えた戦略の正しさを確認するために、戦略設計後に SWOT 分析を使って状況を整理し、経営陣の間で方向性を共有する、という使い方ができます。

一方で、成長市場でプレーしている企業の経営方針策定や、既に販売商品が決まっている場合の販売方針策定など、現状の(既存の戦略の)延長線上で方針の修正・改善を検討したい場合には、SWOT 分析はとても有用な分析ツールです。また、深く考えずに、自社の状況を客観的な視点で考えるきっかけづくりとしても十分価値のあるツールです。

まとめ

SWOT分析は、とても便利な思考整理ツールです。フレームワークに振り回されることなく、SWOT 分析の特徴を生かして効果的に活用し、上手に経営に役立ててください。


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