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事業計画の売上高は、+と×でつくってますか?

事業計画、経営計画、損益計画、予算計画、収支計画、etc…企業によっていろんな呼び方がありますが、そもそも、開示する必要もない非上場企業で何のために事業計画を作るのでしょうか。

財務会計と管理会計

まず、企業会計には大きく分けて二種類があります。同じような計算をし、一見同じような損益計算書をつくりますが、その目的は全く違います。

① 財務会計(外部報告会計)
税務申告のための税務会計や、銀行などの債権者や株主に報告するための財務諸表づくりがこれにあたります。企業外部の利害関係者へ、企業経営の実績を報告するための会計です。

② 管理会計(内部報告会計)
その名の通り、経営管理のための会計で、経営判断のベースとなるものです。具体的には、店舗毎の損益を計算して各店舗の状況を把握したり、製品毎の利益貢献額をみて取扱商品を入れ替えたり、機械の導入に迷ったときに、設備投資による追加損益の見込みを試算して投資の可否を判断したり etc…と、経営者にとってなくてはならない判断材料です。

一言でいうと、①財務会計は企業の過去の姿を説明するための会計であるのに対し、②管理会計は企業の未来を作るための会計です。経営管理のために作成される事業計画は、企業の未来のあるべき姿を設計し、毎月/毎週/毎日、計画を実現できているか、進捗をモニタリングするツールになります。

事業計画という指標があることで、年間の企業業績と現状がリンクし、企業の現在の状況が良いのか悪いのか、何をしなければいけないのかがクリアになるのです。

計画数値は+と×でつくる

さて、そんな便利な経営ツール、事業計画ですが、売上高の計画数値が熱血目標・スローガンになっていませんか???事業計画の落としどころは、「ギリギリ実現可能な必達目標」です。もし、「去年の 20%アップで月額●●万円をめざそう!」と売上計画を決めているなら、ちょっと見直しが必要かもしれません。確かめる方法は、売上計画を作るときに、「+」と「×」を両方使ったか?です。
例えば、製造業なら、「製品 A 単価×●個+製品 B 単価×●個+・・・」や、飲食業なら「(ランチ客単価×客数+ディナー客単価×客数)×営業日数」など。具体的な単価・数量に落とし込んでみると、「あれれ?こんな計画無茶だった!」なんてこともあるかもしれません。

まとめ

足し算・掛け算を組み合わせるだけで、事業計画は一気にレベルアップします。細かい数字の並ぶ企業会計に苦手意識のある方も多いかもしれませんが、数字に負けず、事業計画を使いこなして経営管理の効率化を目指してみませんか?きっと、管理がラクになりますよ!

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