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死の理解を深め、人材紹介業の在り方について再度考える



月曜の夜にも関わらず、缶チューハイが4本も進んでいる。(普段あまり飲まないので、家で4本も飲んだのは2年ぶりぐらい)お酒が入ってテンションが高まったからなのか、すらすら文章を書けそうな気持になってきたのでNOTEを更新してみる事にした。


死を意識する機会が増えた

コロナショックの影響でクリアソンは在宅ワークとなった。在宅ワークになる事で人と会う機会が減り、自分と向き合う時間が増えた。テレビやニュースサイトでは毎日のように感染者数と死亡者数が発表される。少なくとも1日5回は「死」という文字を見るようになり、必然と死について考える機会が増えた。


ニューヨークのデータになるが、コロナウイルス感染による18-44歳の死亡率は0.27%です。

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日経ビジネス
新型コロナ、若者が次々に重篤化 NY感染症医の無力感より


あくまでも現状の数字であり、今後データに変化がみられる可能性は十分にあることも考慮したほうがいいだろう。(もっと言えば、人種、性別、肥満度、喫煙の有無、アルコール摂取量など、細分化してデータをみなければわからないことも多い)


それでもコロナで死ぬ確率を「感染確率 × 感染後死亡率」とした場合、ざっくりでも確率を計算できるようになったのは個人的にありがたい。なんとなくニュースをみていると影響力の大きな人たちの死をみているせいか、自分もコロナになったら80%ぐらいの確率で死ぬんじゃないかという気持ちになっていた。危機感が失われるのは良くないが、危機意識を持ちすぎる事も強いストレスになってしまう。


またある程度の計算ができれば対策もたてやすくなる。こうやってマインドマップ形式にしていくと個人的には対策が楽しくなってくる。感染死亡率を低めるために適度な運動をして免疫力を高めるほうがいいが、運動は他人との接触量が増えてしまうという諸刃の剣。だから夜の人通りが少ない時間にランニングしたり、家の中で出来るエクササイズを探したりする。解決策を考えてると仕事みたいで楽しい。

対策



ベクトルの違いから生まれる議論

ウイルス専門家のKPIベクトルは「一人でも感染者を減らすこと」に対して、経済停滞が世の中に強いストレスを生みだして別問題に繋がっていくという意見もある。これらの意見はKPIベクトルが感染者を減らすことではなく、「全体最適化」になっている。(正義と悪ではなく、正義と正義の議論であることはご理解いただきたい)

死について

また病院では「致死率問題」よりも「受け入れキャパシティー問題」が大きな論点になっていたりする。色々と複雑に世界が議論をしている中で、私は「何が正しい施策なのか」よりも「死とはなんだろう」と疑問をもつようになっていった。



死とは何か

今まで生きているのが当たり前であり、「死」について考えることがなかった私は「死」と真剣に向き合っている人の意見に耳を傾ける事からスタートしてみた。

まずは本屋さんでなんとなく見かけたことがある、この本からスタートしてみた。読んでみて思ったのは、「死んだことを誰も経験したことがない世界では、死は哲学のような扱いになるんだな」ということ。良くも悪くも想像通りの内容であった。


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著書の真意が翻訳版ではわからなかったので、現本を購入して読んでみる事にした。生死観に対する様々な哲学者の言葉が引用されており、なぜその結論に辿り着いたのかを考える良いきっかけになりました。最終的には死に対する科学的な追求ではなく、今とどう向きあうかという結論に落ち着きました。本を読まなくてもわかる凡人的な結論ではあるが、思考プロセスに厚みが生まれる。


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そして個人的に面白かったのがこちら。上記の本が哲学的でアプローチであったのに対して、こちらは医療現場の「緩和医療の本質」について書かれている。誰かが名誉を手に入れるために発言する「きれいごと」ではなく、リアルがこの本にはあるように思えました。


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働く理由

コロナの影響で「死」というものと向き合う機会が生まれ、理解が深まることで、今と真剣に向き合う必要性は強く感じた。明日死ぬ可能性もある中で、なぜ人材業界で働いているのだろう?

社会人になってから12年間ずっと人材業界で働いてきたため、まわりからは「人材業界が大好きなんですね」と言われることが多い。本音を話しにくい相手に対しては建前で「そうなんですよ」と答えているが、私は人材紹介業が大嫌いだし、この仕事には心の底から幻滅している。そして何よりも、この業界の問題点を理解していながら何もできない自分の無力さには嫌気がさしている。

「共感」ではなく、人材紹介に対する「憤り」と自分に対する「無力さの実感」が働く動機であることを思い出せた。



人材業界の現状

理念経営とは「サービス」と「生産性」を両立させていく事が重要であると個人的には考える。


人材業界の問題は色々とあるが、その中で本当に最悪なのは「目的と手段のミスマッチ」である。会社説明会やホームページでは「立派な理念・ビジョン」を語っているが、中身は生産性だけを意識した機械のような組織。

ありがちなのは「電車にのってるサラリーマンって死んだような顔をしているでしょ。それを変えたいんです」とか説明会で語りながら、現場ではそういうサラリーマンを増殖するための活動をしていること。

個人的な主観でしかないが人材紹介よりも人材広告の方がよっぽど中身があるし、きちんとした振り返りをしている。もちろん世の中に詐欺みたいな広告をつくって自己満足している人も大勢いるが、真摯に広告と向き合って問題の本質と向き合える営業マンも多い。



人材紹介出身の人間が使えないと言われる理由

私は人材紹介業で「大手」「ベンチャー」を経験し、数多くの人材紹介業に関わる人たちと出会ってきた。その中で感じたことは、大手のエージェントは完全に思考停止状態になっているケースが多く、ベンチャーのエージェントは勘違いしているだけの人が多い状態になっているということ。


よくある大手エージェントのルーチン

下記のパターン①と、パターン②を繰り返してルーチンワーク。あとはひたすらシステムに数字を入力して、数字を改善していくだけ。

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よくあるベンチャーエージェントのルーチン

とにかくベンチャーの面白さを共有して、気合と根性の大切さを語るだけ。自分は就活上手くいきました凄いでしょ! 自分は今仕事をしていてやりがい感じるんです。凄いでしょ!という妙なマウンティング合戦が繰り広げられているだけ。あとはコーチング技術が全ての解決策になると思って、聞く事だけに特化した人たち。


人材紹介業全体の質

人材紹介経験者の多くは見せ方だけがやたらと上手くて、本質は全く理解していない人が多い(本質っぽいことは話せるが、深堀りすると薄い)。あとは単純なKPIをゴリゴリ回すことだけが得意な人間ばかりだ。

人材業界構図

もちろんこれがダメという訳ではなく、転職市場にはこういったKPIをひたすらゴリゴリまわすだけのソルジャー枠がある。ソルジャーのような働き方しかできないのに、司令官のような仕事を求めるから人材紹介出身者はやっかいな人材である。


数は少ないが素晴らしいエージェントは確かに存在する。

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中身で活躍する人の多くは、人間に対する理解と、経営に対する理解を深めた上でマッチングのあるべき姿を考えた人です。人材業界で多くの人は人間理解だけを深めてしまい「ファンタジー路線」に入る。



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問題

これらは指標のサンプルでしかないが、こういった結果を出すための重要指標の構築と、それを運用レベルまで落とし込む事と向き合っている人が指標で活躍するタイプである。指標のレベルが低い会社はいつまでも、面談数・応諾数・選考通過率・内定・承諾数というKPIをゴリゴリまわしているだけになってしまう。平面でしか数字をとらえることができず、立体的に数字をみることが難しい人種である。


勘違いしないでほしいのは「生産性」を追求することは悪じゃない。人材紹介は「業務効率を高める」という付加価値もあるため、生産性向上はサービス力向上にも繋がっている。問題なのはそういった企業が「理念・ビジョン」を発信して採用活動をおこなったり、広告キャッチコピーをつくっていることである。顧客はごまかせても、働く従業員はごまかせない。

中身がないのに、見せ方に大量の金を投入して「社会の共感」を生み出す手法を人材業界ではブランディングが上手いと表現する。しかしこういった会社の多くは時間と共に社員の不満が爆発して大量離職に繋がる。そして過去を知らない新しい人たちを大量採用して再スタートする企業が多い。しかし社員がリセットされても、トップが変わっていなければ同じことが何度も繰り返される。


人材紹介会社には「素晴らしい生産性の仕組み」が存在するケースはあっても、「素晴らしいサービス」が存在するケースはほとんどない。もちろん素晴らしいサービスと向き合おうとする人材紹介会社はある。
※広告費をもらっているわけではないので、純粋に良いなと思ったサービスを個人の主観で記載しています。他にも自分が知らないだけで素敵な企業が沢山あることも間違いありません。



BEYOND CAFE(就活・第2新卒)

BEYOND CAFEさんは人間理解と経営理解のバランスをとって人と向き合おうとする企業です。下記のNOTEを読んでもらえれば、代表の人柄がわかると思います。


SLOGAN(就活・第2新卒)

Sloganさんは学生の経営理解を深めることに強みがあります。学生を子供ではなく大人として向き合っている企業だと感じます。


BIZ REACH(就活・転職)

南社長の就活生に対するセミナーの内容も本当に素敵だなと思ったし、ビズリーチキャンパス内OBOGの質も高く、バランスが良いサービスを提供しています。


AWAKE GATE(第2新卒)

働くではなく、人生と向き合って若手を支援している企業。サービスのバランスも良いし、働いている人材の質が高い。


クリアソンもこの4社のように価値提供ができる組織でありたい。サービス・生産性と真摯に向き合い、大きな会社ではなく「必要とされる組織」を目指していきたい。



最後に...

最後に人材紹介業を追求していくうえで、今考えていることをざっくりと表現して終わりにしようと思う。これらの考察はまた別NOTEでやろうと思う。(既に4000文字を超えているので)


これからの時代はメンバーシップ型のみ、ジョブ型のみで人と関わっていく事の限界は感じている。

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NEWSPICKS「マーケットを見るか、上司を見るか」で人生が変わるより


個人的にはジョブ型を「自分の力」、メンバーシップ型を「力を何のために使いたいのか」と切り分けるようにしている。この2つの問いと向き合い、求職者様・企業様の課題と向き合っていきたい。就職活動の時から「ジョブ型」の自分ができる事、転職先でどんな力・経験が身に着けられるのかを真剣に向き合う機会の提供が必要だと考えている。そのためにはキャリアアドバイザーのビジネス理解力を高めることが必要不可欠だ。採用基準における知的好奇心の割合は必然的に大きくなる。


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著書ワーク・ルールズの中には、非構造的採用面接の決定係数(r²)は0.14であり、社員の職務能力の14%程度しか説明できないと書いている。これが本当なら世の中の「俺は採用の天才(カリスマ)」とか、「俺は人を見極める力があるんだ」とか発言している人たちの多くが勘違い野郎だという事になる。ちなみにレフェレンスは7%で、職務経験年数は3%、筆跡学に関しては0.04%である。就活生のエントリーシートが手書きでなく、データ化されたことを悔やんでいる人事は多かったが(特に年寄り人事に)、0.04%のために学生の貴重な時間を奪う機会が減ったことを私は大変嬉しく思う。

ある人の職務能力を予測するための最善の指標はワークサンプルテストで0.29、一般認識能力テスト・構造的面接で0.26となる。

構造面接は「行動面接」「状況面接」にわかれてくるが、これが就職活動における自己分析でもヒントになるだろうと感じている。自己分析で価値観ばかりを重視するエージェントが多いが、これらのエッセンスを就活に取り入れることが必要不可欠だと感じている。



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後は久しぶりにこの本を棚から取り出しみたのだがやっぱり面白い。いつか自分の仕事を誇れるように人材紹介業とこれからも向き合っていきたい。



酔った勢いではじめてみたが、気づけば3時間も経過していて驚いた...(お酒の力はすごい!!)誤字脱字がかなりあると思うので、明日の夜に修正します。ということで、もう1本あけてから寝ることにします。




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