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人口が世界最大となったインドは、自動車市場も世界3位。

 SIAM(インド自動車工業会)によると、2022年のインド国内の自動車販売台数は470万台で、420万台の日本を抜きました(1位は中国約2700万台、2位は米国約1400万台)。インドは人口約14億人ですが、自動車市場はまだ小さく、中国の5分の1以下です。今後経済成長につれ、将来的に販売台数は今の5~6倍の規模に成長するでしょう。
 インドの自動車市場で、シェアトップはマルチスズキ(スズキの連結子会社)です。記事ではマルチのシェアが5割超から4割に落ちたことを悲観的に書いていますが、過去から4~5割で推移(主にヒット車の有無)しています。

マルチスズキがこれだけのシェアを維持出来ているのは、80年代から鈴木修会長自らインドに頻繁に赴き、日本で型落ちとなった軽自動車「アルト」を現地で生産できるよう、サプライヤーから育て来た長年の賜物です。マルチの自動車の平均販売価格は100万円以下ですが、この価格で営業利益率10%を出す実力を持っているメーカーは世界でも稀有です(通常、自動車メーカーは300万円以上の高価格帯の車で高い利益率を出し、大衆車は利幅が薄い)。

 現在、スズキはトヨタと提携しています。トヨタがスズキの株を買った背景には、インド市場の拡大もありますが、それ以上に次のフロンティアであるアフリカ市場狙いと言われています。インド洋を渡れば、アフリカ大陸はすぐそばです。トヨタは、マルチを使ってインドで安価な車を作り、将来はアフリカへの輸出基地にする構想です。

米中の貿易摩擦により中国への投資がリスクを伴うようになったことに加え、中国の経済成長率は鈍化している状況から、今後はインドの経済成長への注目度は高まると考えています。インドへの投資を強化している日系企業としては、ユニチャーム(現在おむつで2位)、クボタ(まだ参入したてですが、クボタもアフリカ向け輸出も狙っています)、無印良品(現地リライアンス財閥とJVを設立)、ユニクロ(エアリズムのターバンなんか出せばバカ売れでしょう。笑)、日立建機(タタとのJVは建設機械シェアトップ)などが有名です。


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