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M&Aアドバイザーに求められる能力とは(投資銀行・FAS)

FASでM&Aアドバイザーをやっていた頃、
FA、財務DD、モデリングなどの業務をメインにやっていました。
また、少しだけですが、買収後のDAY 1までのPMI業務も経験しました。

そして、個人的に思うこととしては、

激務でありながらも、エキサイティングな業務の連続で、楽しかった
ということです。それだけに成長も早くもあるでしょう。

そして、良くも悪くも、
後からネタにできる話がこんなにも多いのは、
自ら経営者になることを除けば、この業務くらいしかないのでは?と思います。

今日は、そんなM&Aアドバイザーの業務において、求められる能力について書こうと思います。

裏返せば、経験することで、身に付く能力、とも捉えることができます(最後の1つは、人それぞれですが)。


ちなみに、「求められる能力」と言っても、今回はソフトスキルについてです。財務とか法務とか、そういうハードスキルのお話ではありません。





M&Aアドバイザーに求められる能力

自らの経験から、以下の5つを挙げたいと思います。

① 新しい事業にキャッチアップできる勉強熱心な姿勢
② 相手から上手に情報を引き出すコミュニケーション能力
③ 本質の理解と冷静に状況判断ができる落ち着き

④ ハードワークできるタフネス
⑤ 最も重要な、苦行をも乗り越えられる〇〇

※最後の⑤だけは、マガジン購入者の方向けの特典としています。

では、一つ一つ見て行きましょう。


① 新しい事業にキャッチアップできる勉強熱心な姿勢

これは、M&Aアドバイザーに限った話ではないでしょう。例えばコンサルタントやPEファンドなどでも同様と思います。新しい対象会社を調査するにはその業界のことやその会社のことを知っている必要があります。
短時間でその道の専門家であるクライアントの知識にキャッチアップして、彼らにアドバイスを行うことが求められるのです。

若手の内は、アサインされたPJの案件のためにひたすらその業界の事を事前にインプットしたりということが必要だし、マネージャー以上になってくると、提案活動においてその業界特有の論点などを提案書に盛り込むなど、腕の見せ所となってきます。
それによって、案件の受注に大きな影響が出てきます。

常に好奇心を持って、新しいニュースにも目を通すことが求められるわけですね。


② 相手から上手に情報を引き出すコミュニケーション能力

DDフェーズに関して言うと、
対象会社のマネジメントに、会社のことについて、必要な情報をインタビューするため、限られた時間で必要な情報を得る必要があります。

あまりコミュニケーションが上手でない相手に対しては、話易いように、物腰柔らかく、かつ色々な角度から質問してあげることが重要ですし、放っておいても自分からどんどんしゃべり倒して脱線する経営者には、適宜カットインして次の質問へ促すなど、相手のスタイルに応じて様々な工夫が必要となります。

その後の交渉フェーズになると、
実際に価格を決めるための項目や、その他の契約条件について、徹底的に対象会社を精査した上で、どこを譲歩するか、どこは押し通すかなどの駆け引きをも含めた交渉が行われます。

相手の交渉態度次第では、大胆に一か八かの見せ球を喰らわす、というようなこともあるかもしれません。

「コミュニケーション能力が高い」なんて、誰もが面接で簡単に言うセリフですが、この業務を行う上ではどれだけ本当に上手に接することが求められることでしょう。


③ 本質の理解と冷静に状況判断ができる落ち着き

ネタに困らない程色々な経験ができるとは書きましたが、
それはすなわち、色んなピンチにも出くわすということも意味しています。

例えば、
DDで確認しておくべき事が漏れていて、重要な局面で表に出て来たとか、
案件の進捗が思うように進まなくてクライアントがぶちキレたとか、
細かな質問責めにし過ぎて、対象会社の経営陣が機嫌を損ねて回答してくれない、とか…。

もちろん、そう言うことがないように業務を進めるわけですが、どのような業務であっても不測の事態はあり得ます。

そうした時に、焦って取り乱すのではなく、
冷静に何が起きているのか、その原因は何であるかを整理して、状況を打開するためのアクションを取る必要があります。


また、経験の浅いFA担当者が陥りがちな点として、
焦りながら「明朝まで」と各アドバイザー(財務・税務・法務など)色々な作業を振りまくることがありますが、自分が逆にDD担当者であるなら、それらも何故そこまで急ぐのか、またクライアントにとって本当に重要なことなのかをきちんと見極める必要があります。

FAというのは、常にクライアントファーストを考えつつも、ディールを成功させるために動くわけです。しかし、膨大な報酬が発生するために、クライアント側も常に目を光らせていて、使い倒す姿勢でいることが多いです。

そんな関係性のため、FAのアピールのために不要な業務を作り出してしまっていたり、クライアントからの依頼を伝書鳩のように他の専門家へ伝達しているだけという例もなくはなく、それに巻き込まれることもあり得ます
(ちょっと極端な言い方ですが、実際自分が財務DDとFAの両方の立場を経験するとわかります。)

『本質の理解と冷静に状況判断ができる落ち着き』とは、言うは易く、行うは難しですが、とても重要な要素です。




④ ハードワークできるタフネス

言わずもがな、ですね。
ここで言っている『タフネス』とは、体力面と精神面の両方です。

ハードな仕事は全てそうですが、長時間労働によるフィジカルの充実が求められるのは当たり前で、加えてメンタルのタフネスが求められることが多いです。

M&Aアドバイザーの場合は、クライアントも大企業のCEOなどの経営トップであることも多く、それ以外にも世界的に名高いPEファンドなど、非常に厳しい要求をしてくることも多いです。

前者は、大会議室でピリピリした報告会が行われるようなことも多く、大勢の前で緊張感ハンパない空間でのプレゼンなどが経験できますし、
後者は、ものすごく鋭いツッコミを浴びせてくることが多く、中途半端な分析ではボコボコにされてしまうようなこともあります。

そうした中でやっていけるパートナーやシニアマネージャーは、見た目の優しさの背後に、鋼のメンタルを隠し持っているのです。

そして、そういうメンタルのタフネスを備えている人たちの多くは、身体のメンテナンスも怠っておらず、日頃からランニングをしたり、ジムでワークアウトをしたりと常に鍛えています。

以前、お世話になったUSのパートナーなどは、毎朝5キロのランニングをしてから出社をしており、40代になっても非常に若々しく充実しているように見えました。

仕事に行き詰まったりしたときは、
まずは形だけでも、真似てみることで物事が好転するかもしれませんね。
筋トレと走り込みから始めましょう。




⑤  最も重要な、苦行をも乗り越えられる〇〇

最後は、この業界で成功する人に共通する、ある強烈な特徴です。
それは…。


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筆者を含めた、FAS出身者の実際の情報を基に作成しているので、リアリティがあります。

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